腸内環境SIBOや甲状腺のつながりと予防
腸内細菌のバランスが崩れてくることでおこりやすいSIBOで知られる小腸細菌過増殖症候群と甲状腺機能は、多くの女性にとってつながりが深いことが報告されています。
特に慢性疲労や小麦や乳製品不耐性を感じる場合は予防につながる対策がおすすめです。
日本ではあまり聞き慣れないSIBOですが、病名や症状名は付けられていないものの、実際は特に多くの女性に関係していることが考えられます。
また甲状腺とのつながりも関係していることも多いことからも知っておくと良いかもしれません。
SIBO(小腸細菌過増殖症候群)とは?:
SIBOはSmall Intestine Bacterial Overgrowthの略で日本語では小腸細菌過増殖症候群と訳されていますが、簡単にいうと腸内の菌のバランスが崩れたことによって菌が増殖し過ぎることです。
原因はさまざま考えられますが、代表的なものとして報告されている中には、食べ物に含まれる糖分やパンに麺類に代表されるような精製された炭水化物が多い加工食品の過剰摂取ではないでしょうか。
糖分も小麦粉などに含まれるたんぱく質のグルテンについても体内において消化不良を発生させやすく、ガス(おなら)やゲップの原因につながりますし、腸内環境の乱れを引き起こす要因になっています。
SIBOとは意味合いが違いますが、小麦や乳製品などの不耐性やアレルギー、あるいは花粉症でも同じことがいえると思いますが、体内で炎症が発生している場合は、腸内環境が整っておらず、SIBOでなくても腸からさまざまな物質が漏れるいわゆる腸管漏れのLGSリーキーガット症候群も日本でも多くの人が患っていることが考えられています。
その場合には体内に入ったものを異物と考えて自らの免疫組織が攻撃する自己免疫疾患女性や、女性で甲状腺機能障害に発展する場合も多いために下記のような状態が続く場合は留意が必要ですし、広がらないように予防することがおすすめです。
SIBO(小腸細菌過増殖症候群)と甲状腺のつながりが考えられる状態:
・いつも疲れている慢性疲労のような状態
・朝起きても疲れていたり、午後は眠くなったりエネルギーが無くなって、夜は元気になる
・体温が低い低体温
・ゲップやおならが出ることが多い
・お腹が痛くなったり、お腹がねじれたり感じる
・下痢や便秘が続く
・小麦やグルテン、乳成分等に不耐性やアレルギーがある
・油物を食べると胃やお腹が張りやすい
・低血糖や糖尿病に近い
・ビタミンB群やミネラル栄養素の欠乏
・乾燥肌
・甲状腺に張りがある
など
腸内と甲状腺機能:
腸内では甲状腺ホルモンを貯蔵するT4の20%が活動をするT3に変換されることが報告されていますが、もしも腸内の機能が鈍っている環境では、その変換が上手く行なわれずに変換率が下がることで甲状腺機能低下症の状態につながりやすくなることがわかっていることからも、腸内環境と甲状腺機能にはつながりが大きいことがわかります。
SIBOや甲状腺の健康と予防のためにできること:
ヒポクラテスの有名の言葉の中に、「全ての病は腸から始まる」や「汝の食事を薬とせよ」などがあります。
組み合わせて考えると、食べ物で腸内環境を整えることが一番の健康維持や予防につながるといえます。
具体的に腸内環境を健康的に保つために必要なことは、何かを摂取したりすることよりも、まずは腸内環境を悪化させる原因となるものを入れないということです。
腸内環境を乱しやすくする糖質や加工された小麦食品を控えることがそのためには必要といえますし、消化吸収に臓器をかける乳製品にも気にかけることも大切といえます。
一方で腸内細菌が喜ぶ発酵食品のような乳酸菌を含む食べ物を増やすことも良いのではないでしょうか。
魚を中心にオメガ3の良質な油を増やしたり、良質な肉や大豆からたんぱく質を補うことも予防につながるのでおすすめといえます。
食べ物以外でも日中にしっかり日光浴をしてビタミンDを体内に取り入れたりホルモンのバランスや自律神経を整えるようにすることで夜に良い睡眠を取ることにもつながります。
参考にした情報:
エミー・マイヤーズ医学博士の甲状腺サミット2016と、同博士の2016年11月8日付SIBOと甲状腺機能低下症のつながりに関する記事
「SIBO」
Townsend-Letter
2015年2月3月号
67~75ページ
スティーブン・サンドバーグ・ルイスNDとアリソン・シーベッカーND
情報ページ:ビタミンDとは?