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不眠症と慢性疲労の共通不足栄養素マグネシウム

2016年08月31日

健康

不眠症や慢性疲労、感情が情緒不安定になりやすい場合などに共通して不足や欠乏している大きな栄養素のマグネシウム。

不眠症の人たちを対象に行なわれたマグネシウムの栄養素をもちいた調査で興味深い結果が出ていますのでご紹介いたします。

 

マグネシウムの栄養素が不足しやすい背景:

カルシウムと並んで2大ミネラルに数えられるマグネシウムですが、体内で不足しやすいといわれるのには理由があります。

1992年に行なわれた第1回の地球環境サミットの中で、過去100年の間に日本を含む様々な地域において土壌内のマグネシウムを含むミネラルの枯渇度合いが報告されました。

土壌の中に以前はもっと多かったマグネシウムをはじめとするミネラル栄養素ですが、100年の間にアジアでは75%程度減り、北米では85%減った計算で、減少幅が最も少なかった大陸のオーストラリアでもアジアや北米ほどでもなかったものの55%減ったことが報告されました。

そのために多くの専門家が加工食品の代わりにもっと野菜を食べる量を増やしたり、マグネシウムが多く残っている生の状態でサラダを食べたり、不足する点は栄養補助食品としてサプリメントで補うことをおすすめしています。

マグネシウムが不足しやすい状態にわたしたちがあるのには、他にも多くの理由が存在しています。

昔は存在していなかった加工食品や電子レンジ、頻繁に食べる機会が増えた加熱食品、電磁波、日用品も含む化学物質、環境汚染、ストレスなど体内のマグネシウムが失われる要因になるものやことは増える一方といえます。

 

不眠症とマグネシウムの調査報告:

不眠症や慢性疲労をはじめとする多くの症状や病気にマグネシウムの栄養素不足は関係していることは以前から伝えられていますが、今回の調査報告では不眠症に限って調査が進められました。

日々のマグネシウムの平均摂取量が194mg程度の人びとの中から、中度の不眠症と診断された平均年齢65歳の46人の人をランダムに抽出し、8週間にわたって、マグネシウムのサプリメント250mgを1日2回と、偽粒であるプラセボ斑にの2つのグループに分けて摂取前後の不眠症数値を用いた数値の変化が観測されました。

8週間後の計測ではマグネシウムを摂取していたグループにおいて、摂取しなかったグループと比較した場合に、平均して14.4%程度の不眠症数値の中央値に改善が見られたと報告されています。

今回の調査報告について、世界的に著名な医学博士のアランゲービー博士曰く、マグネシウムは不眠症や慢性疲労、うつ病などに共通して欠乏していることが多い栄養素の1つとしてコメントをした上で、現在の国のマグネシウム推奨摂取量において、男性が420mg、女性が320mgと設定されているものの、実際には多くの人がそれらの数字を下回っており、特に若い年齢層に不足が躊躇に表れているとコメントしています。

また治療の目的で同博士の病院を訪れる患者にも多い症状として、不眠症や慢性疲労、心配性や不安症とうつ症状の人にはマグネシウムのサプリメントを1日400mg程度、摂取してもらうようにすることで、改善が見られる経験をしてきたと追記しています。

 

マグネシウムを含む食べ物:

マグネシウムを含んだ食べ物例としては、緑色の葉もの野菜、ナッツ類、種子類、魚、肉、乳製品、未生成穀物などが挙げられます。

ただし小麦粉や穀物は精成時に80%程度も失われることに加えて、水に入れて野菜を沸騰させるだけでも50~75%程度のマグネシウムが失われてしまうとのことでしたので、野菜では生に近い状態や沸騰した水分ごと食べるようすることがおすすめです。

マグネシウムは他のミネラルやビタミンと相互作用があることからも、マグネシウムだけに焦点を当てるよりも、食べたりサプリメントなどで栄養素を補う場合においても、もう少し広い範囲で考えることもおすすめです。

 

 

参考にした情報:

Abbasi B et al. The effect of magnesium supplementation on primary insomnia in elderly: a double blind placebo controlled clinical trial.

Journal of Res. medical sciences. 2012;17:1161-1169.

 

 

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