FODMAP食事療法と過敏性腸症候群
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□FODMAPとは
FODMAPとは、オーストラリアで誕生した新しい食事療法のことです。
もともとは過敏性腸症候群にお悩みの方のために開発され、今では欧米を中心にどんどん知名度が上がってきています。
FODMAPを実践して過敏性腸症候群の症状が改善されている方も増えてきていることが拡がりを見せている要因のようです。
FODMAPとは、「オリゴ糖」、「二糖」、「単糖」、「ポリオール」をまとめた呼び方です。
私たちの食べるものは、高FODMAPの食品と、低FODMAPの食品に分類することができます。
高FODMAPの食品を食べると、小腸を通るときに腸管から吸収されにくいため、過敏性腸症候群の方は注意が必要となります。
低FODMAP食を実践すると、腸内細菌のバランスに大きくかかわることがわかっています。
私たちの身体は食べたものでできており、食べた物で体も体内も微生物の集まりともいえるマイクロバイオームに大きく影響され、腸内環境に大いに影響を与えることからも何を食べるかはとても大切なことはいうまでもありません。
□過敏性腸症候群とは
過敏性腸症候群とは、トイレの回数が多かったり、そうかと思えば便秘が続いたりなどの不快な症状を伴います。
上記の症状が続き病院にかかっても、特に異常の見つからない方は、過敏性腸症候群の可能性があります。
現在のところ、医療での明確な治療方法は確立されていないという声も聞かれます。
食生活や、睡眠、ストレスが引き金となることがあるため、これらを見直すことで症状が少しずつ改善されることがあります。
中でも最近は、FODMAPを実践する療法や、グルテンを含む食べ物を控えるグルテンフリーの実践だけでも腸内環境に良い変化があることもわかってきています。
□FODMAPの方法
FODMAPは、過敏性腸症候群の原因となる食べ物を見つけるための食事方法です。
先述の「オリゴ糖、二糖、単糖、ポリオール」
を含む食材が、過敏性腸症候群を引き起こしているのか調べるのです。
まず、最初の2週間は、FODMAPの摂取量をできる限り抑えます。
FODMAPは、調味料などにも含まれているため、外食時や規制の食品購入時にも注意が必要になります。
<FODMAPが低い食品>
バナナ、いちご、みかん、ブドウ、ニンジン、ピーマン、ナス、レタス、トマト、ほうれん草、牛肉、鶏肉、豚肉、ナッツ類、卵、豆腐、お米
そば、バターなど
基本的に、食材を加工せずにそのまま食べられるものに、低FODMAPの食品が多いようです。
<FODMAPが高い食品>
リンゴ、ブロッコリー、ドライフルーツ、小麦、パスタ、ケーキ、はちみつ、チーズなど
食事療法を始めてしばらくしてからも、過敏性腸症候群の症状に変化がなければ、その人の腸の環境はFODMAPと関連性がないということになります。
食事療法の途中で何らかの変化が見られた場合は、どの食品が症状を起こしているのか、さらに調べていきます。
方法は、少しずつFODMAPを含む食材を摂取していき、どの食材をとった時におなかの具合がわるくなるか地道に観察していくことです。
たいへん地道な作業ですが、つらいおなかの症状を改善させるために、興味がある場合にはまずは2週間、高FODMAP食品を控えることから始めてみても良いかもしれません。
ただし、アレルギーがある場合には、専門家の力を借りながら進めることがおすすめです。