FODMAPの食事療法と過敏性腸症候群
今日は、「FODMAP」についてお話しします。
FODMAPとは、過敏性腸症候群の方のための食事療法のことです。
日本ではまだあまり耳慣れないこのFODMAPは、オーストラリアで過敏性腸症候群の患者さんのために開発され、今では欧米を中心に徐々に知名度が上がってきています。
「過敏性腸症候群」とは、理由もなく下痢や便秘の症状が続き、病院で検査などをしても、特に原因が特定しきれない腸の不調の疾患です。
特に強い腹痛などが感じられないことが多いのですが、トイレの回数が異常に増えたり、便秘で苦しくなったりと、日常生活に支障が出てきます。
特効薬などは、今のところ見つかっていないともいわれています。
こうした症状を改善するため、「高FODMAPの食品」を控えて、腸の調子を観察していくのがFODMAP療法です。
方法は、まず2週間、高FODMAP食品を可能な限り控えて体調などの様子を観てみます。
高FODMAPの食品には、以下のようなものがあります。
●高FODMAPに分類される食べ物:
リンゴ、アスパラ、ブロッコリー、ラーメン、パスタ、ピザ、パンなどの小麦製品、チーズ、はちみつなど
リンゴやアスパラ、ブロッコリーなどは、健康に良いことばかりかと思っていましたが高FODMAPと聞いて意外に思いました。
ラーメン、パスタなどは、最近話題のグルテンフリーでもおなじみの、グルテンを含む食品ですね。
もちもちした食感で人気のメニューですが、FODMAP実施中には控えて、様子を見ましょう。
このように、できる限り高FODMAPの食材を絶ってみて変化を感じられたら、一つずつ食品を摂取してみます。
そして、どの食品が症状を引き起こしているか調べるのです。
この療法は、たいへん根気のいる作業になるかもしれません。
でも、実際に過敏性腸症候群でお困りの方にとっては、もしかしたら、たいへん役に立つことになるかもしれません。
これから暑い夏が始まり、腸の不調はますます不快な季節になります。
おなかの調子を整えて、本格的な夏に備えたいですね。