関節痛やリウマチの痛みとオメガ酸フィッシュオイル
炎症を伴う痛みが出る手や足の関節痛やリウマチ。
今までの調査報告の中には炎症を抑えようと働くいわゆる抗炎症の役割を持つことでも知られるオメガ酸フィッシュオイルが関節痛やリウマチに使われた報告があります。
リウマチについての専門誌に掲載された最新の報告例も注目されています。
リウマチ関節炎にオメガ酸フィッシュオイルを使用した報告:
リウマチ関節炎と診断された患者でなおかつ12ヶ月以内に抗リウマチ薬を飲んでいた139名の患者をランダムに選出し、2つのグループに分けて、それぞれのグループにオメガ酸フィッシュオイルを摂取し続けた後にどのような変化が出るかを調べたものです。
2つのグループ共にオメガ酸フィッシュオイルで知られるEPAを2と、DHAを1の割合で摂取し、1つ目のグループには一日に5.5gのフィッシュオイルを摂取してもらい、2つ目のグループには一日に0.4gのフィッシュオイルを摂取してもらうと共に、抗リウマチ薬の摂取は規制し、12ヶ月後にどのような変化が出るかが調べられました。
12ヶ月が経過した後にリウマチ薬を摂取した時に使用される測る精度指数(数値が低い程改善された意味を持つ)では下記の通り:
1日5.5gのフィッシュオイルを摂取した1のグループ:10.5%
1日0.4gのフィッシュオイルを摂取した2のグループ:32.1%
使用前後の症状の軽減率:
1のグループ: 41%
2のグループ: 23%
研究者によるまとめとして、今回の調査では関節痛を伴うリウマチ患者においての調査でオメガ酸フィッシュオイルのEPAとDHAを摂取したグループにおいて、大幅な改善を示す数値が出たと報告しています。
関節炎やリウマチに詳しいアラン・ゲービー医学博士はEPAとDHAのオメガ3脂肪酸フィッシュオイルは抗炎の役割を持ち、今までにも様々な調査報告でフィッシュオイルを用いたサプリメントでリウマチや関節炎の改善がみられていると報告。
また、同博士は最近行なわれた研究結果に触れ、1日18gのフィッシュオイルで更に改善されたデータも報告されていると追記しています。
それらの報告を受け、高フィッシュオイルの摂取は痛みを伴う症状の軽減率を高めると共に、抗リウマチ薬の効果が無かった場合でも希望としての選択が増え、良いことと結んでいます。
食べ物:
フィッシュオイルと呼ばれるように、EPAもDHAも魚に含まれるオメガ3脂肪酸です。
特にイワシ、アジ、サンマ、サバなどの青魚と呼ばれる魚にはEPAやDHAのオメガ酸が豊富な上、大きさからしても水銀や鉛などの汚染物質の含有量も比較的少ないことからもおすすめされています。
それらの魚は焼くことでオメガ酸が失われるために、刺身の状態で食べる方が多くの栄養を補えます。
参照した情報:
Proudman SM et al. Fish oil in recent onset rheumatoid arthritis: a randomized, double-blind controlled trial within algorithm-based drug use, Ann Rheum. Dis. 2015;74:89-95.