シンバイオティクス(プレバイオティクスとプロバイオティクスの両方)
シンバイオティクスとは、腸内フローラの育成に役立つ生きた微生物群である「プロバイオティクス」と、プロバイオティクスのエサとなってプロバイオティクスの働きを助ける「プレバイオティクス」の両方を一緒に食べること、またはその両方を含んだサプリメントなどの食品のことを言います。
プロバイオティクスとプレバイオティクスの両方を同時に摂取することのシンバイオティクスの摂取によって、体内に存在する細胞の10倍以上にも及ぶ大量の細菌で知られるマイクロバイオーム、腸内フローラや腸内環境を整えるプロバイオティクスの効果がいっそう高まると考えられています。
組み合わせることで、相乗効果が得られ、より高い健康効果が期待できます。
プロバイオティクスとプレバイオティクスを同時に摂取すると相乗効果があることは、以前より知られていましたが、「シンバイオティクス」自体は1995年にイギリスのレディング大学の教授グレン・ギブソンと、ベルギーのルーバン・カトリック大学の教授マルセル・ロバーフロイドにより、提唱された説が有力とされています。
「シンバイオティクス」の「syn」には「一緒に」という意味があります。
そして現在では、医療現場でもシンバイオティクスはシンバイオティクス療法として、術後の感染症の予防や炎症を抑えるなどの目的でシンバイオティクスが使われ、効果をあげている報告が多く存在しているようです。
また、患者にシンバイオティクスを投与したところ、投与していない患者に比べて感染による合併症にかかる確率も下がったという報告もあります。
腸は、からだの免疫機能にも大きくかかわっているため、腸内細菌のバランスを整えることだけにとどまらず、マイクロバイオームや腸内フローラは病気の予防や治療、健康の維持にとっても、非常に重要なこととなっています。
プロバイオティクスとは、腸内フローラのバランスを改善し、人間にとって有用な作用をもたらしてくれる「微生物」のことです。
プロバイオティクスは、胃酸にも負けずに生きたまま腸まで届き、腸内環境の改善に役立ってくれます。
このプロバイオティクスを含む食品には以下のようなものがあります。
ブルガリア菌、ビフィズス菌など、プロバイオティクスとされている乳酸菌を使って発酵させたヨーグルトや、また、納豆、ぬか漬け、キムチ、味噌などの発酵食品も、生きて腸まで届く菌を含むプロバイオティクスとされています。
一方、プレバイオティクスとは、腸内でプロバイオティクスのエサとなり、善玉菌を増してくれる働きを持つ「食品」のことをいいます。
現在、プレバイオティクスとして認められているのは、オリゴ糖と食物繊維です。
プレバイオティクスは、生きている微生物ではありませんが、腸内環境にとって非常に良い作用をもたらしてくれる食品なので、積極的に摂りたいですね。