マイクロバイオータ
私たち人間の腸内には1,000種類以上~100兆個以上とも言われる数の微生物が存在しています。
また腸内以外にも、皮膚や口の中などの様々なところに微生物(マイクローブと呼ばれる)が存在しています。
それらの微生物は総称して「マイクロバイオータ」と呼ばれています。
さらに、マイクロバイオータのDNAを総称して、マイクロバイオームと呼ばれています。
微生物(マイクローブ)の集合体(オーム)のことをマイクロバイオームと呼ばれ、つまりは私たちと共存しているということがわかりますし、からだは微生物の集合体とも表現されています。
微生物の総称であるマイクロバイオータの編成はひとりひとり異なります。
家族関係にある親と子や兄弟姉妹、双子でさえも、触れ合う人間関係や生活する場所などが異なれば、マイクロバイオームの構成が異なることがわかっています。
私たちのマイクロバイオータは、私たちが物や人、動物などとふれあう度に相互に交換されているのです。
そう考えると、共に時間を過ごすという行為は、体内に備わっている微生物又はマイクロバイオータを通してお互いに影響を与え合っているということが考えられるのではないでしょうか。
急性副鼻腔炎が完治しないまま慢性化したものを慢性副鼻腔炎といい、一般的に「蓄膿症」という名前で知られています。
慢性副鼻腔炎(蓄膿症)とは、発熱や目がかゆいなどの症状はなく、鼻汁が絶えず出る、もしくは鼻が絶えずつまるといった症状が持続する病気です。
急性副鼻腔炎が慢性化する理由は、副鼻腔にたまったうみが排泄されにくくなることにあります。
鼻と副鼻腔をつないでいる小さな穴が、粘膜が腫れてしまうことにより閉じられてしまうことによって起こり、細菌感染により生じます。
そして、慢性副鼻腔炎には、副鼻腔のマイクロバイオータが関与している可能性があるということが、ニュージーランドのオークランド大学の研究グループにより報告されています。
慢性副鼻腔炎の患者は微生物たちの多様性が低いということがわかったのです。
マイクロバイオータのバランスが悪いことが、慢性副鼻腔炎の原因であるとも考えられています。
また上記以外でも、近年の研究者の報告によると、腸内環境とマイクロバイオータの関係の深さからも腸内フローラや腸内細菌だけにとどまらず、アレルギーや肥満なども含め、免疫力の7割が腸内環境にあることや、微生
物は腸内に集中していることも考えることや腸内と脳と神経は密接に関係していることなどを考えるとありとあらゆる症状はマイクロバイオータとも関係性が深いことが考えられます。
最新の研究では、マイクロバイオータは私達の免疫力、栄養、精神面などにも大きな影響力をもち、私たちの健康を左右することがわかっています。
体内外のマイクロバイオータの数を増やし、バランスよく存在するためには、食生活やライフスタイルの向上が求められるといえそうです。
マイクロバイオータを増やしやすくする食べ物の例としては、発酵食品全般や野菜や果物が中心となりますし、逆に減らしやすいのは一般的な野菜や果物をはじめとする食べ物本来の形をしていない加工食品や添加物、薬
剤や日用品に含まれる化学物質、ストレス、睡眠不足などが考えられることが報告されています。