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腸内細菌とアレルギー

2016年02月10日

腸内細菌とアレルギー

 

アレルギーとは

通常、私たちのからだの外から侵入してきた細菌やウイルスや病原菌などは、私たちの身体にある免疫反応によって排除することができています。
免疫とは、私たちの体の中に入ってきた異物(細菌やウイルス)に対して抗体を作って対抗しようとする、防御システムです。
この免疫反応が花粉やダニ、ほこり、食べ物などに対して過剰に起こることを、「アレルギー」といいます。
また、こアレルギーの原因となる花粉などを、「アレルゲン」と呼びます。

 

食物アレルギーとは

食物アレルギーとは、ある食べ物を摂取した時に、その食べ物に対するアレルギー反応が強く出ることを言います。
多くの場合、食べ物を摂取してからおよそ1時間以内に、じんま疹や腹痛などの症状が出る即時型です。

重症になると血圧が低下し、アナフィラキシーショックを起こします。
アナフィラキシーとは、アレルゲンとなる食品が体内に入ると、急速に皮膚のかゆみや腫れがおこったり、嘔吐したり、咳や喘息発作が
おこったりします。悪化すると命にかかわることもある症状です。

また、食べ物を摂取してから数時間以上経過してから湿疹などの症状が出る遅延型もあります。
遅延型ではアトピー性皮膚炎などの湿疹が悪化したり、下痢の症状が見られることもあります。

アレルギー体質の人は、ある特定のタンパク質にIgE抗体(免疫グロブリンE)を作りやすい傾向があります。
摂取した食べ物がこのIgE抗体を介してアレルギー症状を発症するとされています。

食物アレルギーは、成人よりも子供に多く症状がみられます。
特に日本では、この10年で食物アレルギーを発症する子どもが増えてきてます。

腸内細菌とアレルギー

腸内細菌とアレルギーには深い関係があると言われています。

食物アレルギーは、乳幼児に多く、年齢とともに治ってくることがほとんどです。

生まれたばかりの乳児は、まだ消化吸収機能が未熟で、たんぱく質を十分に分解できません。

また、腸管の粘膜上で働く免疫物質も不十分で、からだを守ることができません。

こういうときに早くからアレルギーをおこしやすいたんぱく質が入ると、アレルギー症状をおこすようになります。

でも、成長とともに消化吸収能力が発達し、免疫物質が増えてくると、食べてもアレルギー症状がおきなくなってきます。

 

これまでの研究では、近年の除菌や殺菌し過ぎた菌が存在しにくい生活環境や食習慣が、私たちの腸内に存在する細菌組成を乱すためではないかと示唆されています。
私たちの腸内に住んでいる腸内細菌は、食物アレルギーと大きく関与しています。

そのために腸内の状態に変化を生じさせる抗生物質の乱用、トランス脂肪酸などの工業的な人工油類、帝王切開による出産、一般的な病原体の除去、さらには人工乳のような刺激など、人類とともに進化してきた体内の細菌叢(細菌の集合体)に影響を与えていることが、腸内フローラの状態や腸内細菌とアレルギーの関係を深めていると考えられています。

例えば、抗生物質はいざという時に役立ちますが、無菌マウスと抗生物質で治療したマウスは、強い免疫反応を起こした調査結果もあり、乱用には注意も必要となります。

他の食べ物でも近年増えてきた品種改良や遺伝子組換えをおこなった食べ物の影響もアレルギー反応の原因にもなっているようです。
また、子供を生む母親の食生活や住環境の影響もあることもわかっています。

 

 

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