腸内細菌
私たちのの腸の中では、一人当たり1000兆個以上、重量にすると約1.5kgもの腸内細菌が生息しています。
ヒトの腸の長さは、約10mもあります。腸の内面を広げると、テニスコート1面分にも相当し、その中にまるでお花畑のように集合して細菌類が生息していることから「腸内フローラ」とも呼ばれています。
腸内フローラを構成している腸内細菌は、私たちの身体の健康や老化などに深く関わっています。
そのため腸内細菌を増やして腸内フローラを整えることは健康につながることがわかっています。
ヒトの場合、腸内細菌には主に次のような働きがあります。
1.体外からの病原菌の侵入を防いで排除する。
2.食物繊維を消化し分解して、代謝物(エネルギ-源)を供給します。
3.ビタミンB1、B2、B6、B12、ビタミンK、葉酸、パントテン酸、ビオチンなどのビタミン類の合成
4.ドーパミンやセロトニンを合成して、脳を安定させる。
5.身体全体の免疫を多く作りだしている。
つまり腸内細菌と全身の健康とは切っても切り離せない深い関連があるのです。
私たちの腸内細菌の種類は、ざっと30,000種類以上とも言われています。
中でも代表的なものとして、「ビフィズス菌」や「乳酸菌」が有名です。
腸内にいる細菌の数では、ビフィズス菌が最も多いとされ、乳酸菌の約1千倍ほど多くいます。
ビフィズス菌は酸素があると生きられず、乳酸菌は酸素がなくても生きられるという違いがあります。
「ビフィズス菌」や「乳酸菌」にもたくさんの種類があります。
たとえば、「カゼイ・シロタ株」という乳酸菌の場合、
それは、乳酸菌の中の「ラクトバチルス属」の「カゼイ菌」という菌種の、「シロタ株」、という種類ということになります。
このように乳酸菌だけでも、279もの種類があるのが分かっています。
また、最近よく耳にする「プロバイオティクス」とは、人体に有益な、生きた微生物を意味しています。
最近では「善玉菌を増やす食品」「生きたまま腸まで届く細菌を含む食品」などの総称として使われることが多くなりました。
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