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気分の落ち込みとオメガ3

2015年11月02日

元気と健康

私たちの脳の重さのおよそ60%は油である脂質であることが知られており、体内で脂質が一番多く、そのことからも脳と関連する神経や気分の落ち込みとオメガ3のような必須脂肪酸とのつながりが多く報告されているのは自然な現象ともいえるのかもしれません。

 

実際に今までにオメガ3脂肪酸の必須脂肪酸と気分の落ち込みやうつ症状などについての報告は数多く、近年は特に増加の一途をたどっているようです。

 

その理由の一つは気分の落ち込みやうつの状態は多くの人にとっての関心ごとでもあり、人生の中で経験する人も少なくなく、実際に医療費や薬剤消費の中でも上位に位置し、精神医学の専門誌であるアメリカン・ジャーナル・オブ・サイキアトリー(精神医学)によると、気分の落ち込みであるうつ症状は常に上位10位以内にあり、必須脂肪酸のオメガ3は利用者にとって有益であることを示す情報が数多く報告されていると伝えています。

 

 

魚に含むオメガ3とうつ:

医学分野で定評のある専門誌のランセットによると、数カ国を対象とした調査でもオメガ3脂肪酸の消費量が減ることで、うつ症状の発生率は高まる関係性が示されているようです。

魚を食べる機会が多い日本を例にすると、年間に平均70kg前後の魚を食べる日本人のうつ発生率は他国より低い0.12%で、ニュージーランドのように年間の魚の摂取量が20kg前後の国では、うつ発生率は5.8%と日本よりも高いことが示されています。

 

 

オメガ3と食べ物:

EPAやDHAのフィッシュオイルをはじめとするオメガ3脂肪酸が魚に含まれ、それが気分の落ち込みやうつ症状等の脳と関係が大きいことはわかりますが、近年の調査では日本も含めオメガ3以上にオメガ6の摂取が大きくなりすぎていることによる脳の影響も大きいように思います。

食べ物の炒め物や揚げ物、加工食品などに多く含まれるオメガ6の油のバランスが大きく、逆に魚に含まれるDHAに加えてEPAのフィッシュオイルや、植物由来の亜麻仁油、エゴマ油等に含まれるオメガ3が少ないことで脳内の脂質のバランスが崩れてしまっていることが健康から病気になりやすい状態にしていることが注目されています。

 

それらの報告例も含めて、近日中に精神的や気分との関わりと共にオメガ3脂肪酸などとの栄養素の関わりについて追記したいと思います。

 

 

Smit E, Muskiet F, Boersma E. The possible role of essential fatty acids in the pathophysiology of malnutrition: a review. Prostaglandins Leukot Essent Fat Acids. 2004;71(4):241-250.

Hibbeln J. Fish consumption and major depression. Lancet. April 18, 1998;351:1213.

Fish consumption and depression and suicidality in a general population. Arch Gen Psychiatry. 2001;58:512-513.

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