筋力向上とビタミンD栄養素
太陽のビタミンの相性を持つビタミンD栄養素は近年欧米を中心に冬の日射時間が短い時期や、風邪やインフルエンザウィルスが流行する時期だけでなく、日頃からおすすめされる基本的な栄養素とかわってきました。
近年の報告では、ビタミンD栄養素が持つ働きが免疫と関係を持つ以外にも精神的にも働くことや、カルシウムや骨との関連性以外にも今回下記にてご紹介する筋肉との筋肉と関わり健康的な筋力向上に関連する栄養素としても注目されるようになってきました。
その背景の1つには、ビタミンD栄養素を含む食べ物が少ないことや、またそれらの食べ物を食べる機会が減ってきていることから、健康への影響についての懸念点も含まれているように思います。
筋力向上とビタミンDの報告:
下記の健康的な筋力の向上とビタミンD成分についての関わりが報告されたのは、スポーツにおけるサイエンスと薬剤についての専門誌です。
報告はビタミンD栄養素を補うことで四肢(しし)の上部と下部の両方の筋力が強化されることを発見したというものです。
ビタミンDが欠乏するとカルシウムの合成との働きから骨が折れやすくなることは周知のとおりですが、同時に身体の土台となる柱である体幹やダイエット、エイジングケアとも関係が深い健康に大きく関わる基本的な筋肉ともいえる四肢の筋力との関わりについて伝えられていることからも、スポーツに限らず、足腰の老化予防、若さを維持しながら健康的に生活したり、効果的なダイエットなどに興味がある方にとっては使いようによっては有益な情報ともいえます。
調査には21.5〜31.5歳の男女310名が参加し、そのうちの67%は女性で、ビタミンDを1週間に4,000IU〜60,000IUの間で4週間から6ヶ月間にわたり計測してもらい、前後の値で評価された調査です。
今までにも一定の高い年齢の参加についての報告はあったようですが、若い年齢に対して行なわれたのは今回のロンドンにあるクイーンマリー大学の研究が最新とのことでした。
日本ではビタミンDはあまり知られない栄養素ですが、日々日光浴をしていてもビタミンD値は不足しているともいわれ、欧米ではその関わりの報告も多いことからも注目を集めています。
そのうちに日本でもビタミンDの栄養素について注目される日がくるかもしれません。
Journal of Science and Medicine in Sport
Vol. 18, Iss 5, pp575-580, doi:10.1016/j.jasms.2014.07.022
“Effects of vitaminD supplementation on upper and lower body muscle strength levels in healthy individuals. A systematic review with meta-analysis”