炎症や潰瘍とオメガ3EPAやDHA
魚に主に含まれる抗炎症栄養素でも知られるオメガ3フィッシュオイルのEPAやDHAに関する調査は、年々その数が世界的に増え続けていることが明らかになっています。
最新の報告の中に、炎症や潰瘍にEPAとDHAを用いた調査も報告されていますので、簡単に読めるようにまとめました。
潰瘍とEPAやDHAの報告:
昨年、医療分野の専門誌によって発表された炎症を代表する潰瘍について、EPAとDHAの栄養素をもちいた調査では、私たちのように魚好きの国民としては嬉しい報告がなされています。
同調査では潰瘍を持つ平均年齢33歳の50名の患者がランダムに選出され、6ヶ月間にわたり毎日EPAを300mgと、DHAを200mgを含むカプセルを一日3回(一日合計1,500mg)摂取するグループと、偽粒のプラセボを用いて比較評価されたものです。
研究者らの報告によると、EPAとDHAを摂取したグループは、月ごとの潰瘍数、潰瘍期間、潰瘍による痛み度数等がプラセボグループと比較した場合に比べて、88%と大きく差をつけて改善したと伝えられました。
魚の水揚げ量に加えて摂取量も日本では下がってきていることは残念ですが、刺身など新鮮な生の魚には特にEPAやDHAのオメガ3フィッシュオイルは豊富に含まれています。
魚の種類ではアジやサンマなどの青魚に加えてマグロをはじめとする大きめの魚にも含まれていますが、同時に大きくなるにつれて水銀や鉛の重金属も増えることになります。
又、オメガ3脂肪酸の他の留意点として、EPAやDHAをはじめとするフィッシュオイルはご存知のように熱や光など酸化に関わるものにも弱く、デリケートな栄養素であることを知っておく必要があります。
口の中で味わった際に苦みを感じる時はオメガ3脂肪酸が酸化してしまっているということになり、摂取するとかえってアレルギーや潰瘍などの炎症を促進してしまいかねないために気をつけながら、健康を保ちたいものです。
参照:
Aphthous Stomatitis and improvement of quality of life. a rondomized, double-blind, placebo-controlled study. Oral surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol. 2014;117191-196.