疲労とアセチルLカルニチン
肝臓から脳にいたるまでのさまざまな疲労をアセチルLカルニチン(ALC)で減らすことができる可能性があることを治験栄養素について世界的に知られる専門誌によって報じられています。
アセチルLカルニチンは神経を保護したり、ミトコンドリア内のエネルギーをつくることにも深く関わりを持つ栄養素で知られると共に、近年は燃焼系栄養素やダイエットにも使用されるようになっています。
アセチルLカルニチンと疲れの関係の調査:
今回の治験では肝臓や脳などの疲れから機能が低下する肝脳症の患者リストから121名をランダムに選出された方々を対象に、アセチルLカルニチンを1回2gを1日2回の合計4gと偽粒であるプラセボを90日間にわたり摂取してもらい、評価した調査が掲載されていました。
プラセボグループと比較した場合に、アセチルLカルニチンを摂取する被験者グループは、精神的な疲労、疲れ度合いを示す度数、7日間の身体活動や記憶の値、瞬発的な運動の持久力や軽い運動を行なった場合の差などにおいて、大きな改善を示す数値が計測されたことに加えて、血清アンモニア濃度についても大きな差が出たことが紹介されています。
専門家らは今回の調査でアセチルLカルニチンが持つ精神的かつ肉体的な疲れの部分にうまく適応した良い例となったと伝えています。
近年は海外だけではなく日本においても継続的に疲れが溜まっている慢性疲労や、臓器に疲れが出ている副腎疲労という言葉も今まで以上に聞かれる機会が増えていることからも、アセチルLカルニチンに関わらず、更なる研究に期待がかかっています。
Malaguarmera M et al. Oral acetyl-L-Carnitine therapy reduces fatigue in overt hepatic encephalopathy: a randomized, double-blind, placebo-controlled study. Am J Clin Nutr. 2011;93:799-808