マグネシウム不足と大腸がん
胃がんを抜き、大腸がんは日本人男性の部位別のがん症例数で初めて最多(女性は乳がんが最多で次が大腸がん)となったことが国立がん研究センターの2013年度の診療実績でわかりました。
ちなみに男女を合わせた数でも大腸がんが圧倒的に多い9.1万例で、次いで二位の胃がんにおいては7.5万例となり、三位の肺がんの7.3万例を大きく引き離している状態であることがわかります。
和食にはマグネシウムをはじめとするミネラル栄養素が多く、洋食には同栄養素が不足気味と言われていることからも、日頃の食事で和食が減り、洋食や加工食品を食べる回数が増えたことも大きな原因の1つとして取り上げられています。
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ミネラル不足:
マグネシウムはカルシウムと並んで二大ミネラルの1つに数えられますが、1992年に行われた第1回の地球環境サミットでの報告では、世界中の土壌に含まれるミネラルの量は減り続けており、100年前と比較した場合に、日本においても60%以上ミネラルの含有量が減っていることが報告されています。
そのような発表もあり、90年代初め頃から、マグネシウムやカルシウムをはじめとするミネラル分についての調査報告例の数も増えているようです。
それ以上に食べ物でミネラル栄養素が多く含まれる食べ物である野菜や果物、海から補えるミネラル栄養素の摂取が、よりお勧めされているような環境にあるようにも思えます。
マグネシウムと大腸がん:
臨床栄養の分野における世界的に有名なアメリカンジャーナルが2012年8月に発表した報告によれば、マグネシウム栄養素の補給が多くなるに連れて、大腸がんのリスクは低くなることと関係しているとのことです。
1477人を対象とした分析調査では、マグネシウムの摂取量が100mg上昇することで、大腸がんに発展するリスクの確率は19%減少する可能性を報告しています。
研究者らは日頃の食事でマグネシウムをより多く含んでいる食べ物を食べることで、大腸がんのリスクを予防できる可能性が上がると伝えています。
食べ物に含むマグネシウム:
野菜類、アーモンド、カシューナッツ、国産大豆、落花生、干しひじき、納豆、豆腐などの食べ物
参考にした情報:
Wark PA, et al. Am J Clin Nutr. 2012 Aug.1.