DHAやオメガ酸と記憶や認知障害
近年の研究によると、魚に多く含まれるオメガ酸脂肪酸で知られる栄養素のDHAが記憶と認知反応を促進させることが発表されています。
アメリカでは成人の5〜20%の人びとの間で加齢が原因の中度の認知障害に発展することが予想されています。
また、それらの人は痴呆に発展するリスクを含んでいることも伝えられています。
魚に含まれるオメガ3系栄養素のDHAと記憶や認知の調査:
アメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリションの報告によれば、年齢が18〜46歳で低DHA値の176人の健康な人に6ヶ月間にわたって毎日1.6gのDHAの栄養素のサプリメントを摂取する被験者のグループと、偽粒であるプラセボグループに分けて記憶や集中力、反応等認識とスピードを調査すると同時に、アルツハイマーに関連するタンパク質も評価する調査が実施されました。
6ヶ月の治験期間を終えてわかったこととして、研究者らはDHAのサプリメントを使用した今回の研究では健康人で低DHA値の人に対して、記憶と反応でプラセボグループと比較した場合に改善が観測されたと報告しています。
ちなみに今回の調査では同時に行われたアルツハイマーに関係するタンパク質の評価ではいずれのグループでも大きな違いは認められなかったとのことでした。
DHAの栄養素:
日本でもDHAというとEPAと並んで魚であるフィッシュオイルに含まれるオメガ酸系の身体に良いといわれる油が人気です。
海外でもDHAなどのフィッシュオイルに対しての評価は高く、近年の加工食品を食べる機会が増えた食生活の変化に伴い、オメガ3とオメガ6の油を比較した場合に、以前までのオメガ3の割合に対して現代人はオメガ6の油が高すぎることも手伝い、調査数も高い状態が続いているといえます。
食べ物に含まれるオメガ酸:
オメガ3系のオイルは魚であれば新鮮なイワシやサバ、アジなどのいわゆる青魚やマグロなどを中心にDHAやEPAなどのフィッシュオイルは含まれています。
動物性の魚以外の食べ物でもオメガ3系の脂肪酸は、植物由来でエゴマ油や亜麻仁油にも含まれています。
いずれもオメガ3系の脂肪酸は熱や光、酸素などによる酸化に弱く、酸化すると苦みを感じるようになってきます。
酸化した栄養素は他の食べ物同様にかえって身体に有益ではなくなることからも、オメガ3の栄養素は鮮度を大切にすることがおすすめです。
また、フィッシュオイルは水銀や鉛をはじめとする環境汚染にも気を配っていただきたい栄養素の1つです。
特に今回の記事のように記憶や認知障害の予防にはおすすめされることが多いオメガ酸でも、鉛や水銀は記憶にとっても、認知能力においても有効に働かないことからも、信頼のおける栄養素を選ぶことをおすすめいたします。
Stonehouse W, et al. Am J Clin Nutri 2013. Mar. 20.