コエンザイムQ10の補酵素と筋肉障害
最近の研究でコエンザイムQ10が筋肉障害に有意に働くことが報告されました。
コエンザイムQ10の人気:
コエンザイムQ10は身体の中でビタミンと似たような働きをする強い抗酸化作用をするアンチオキシダント補酵素で、20歳頃を境いに体内で減り続けることが報告されています。
日本でも知られる補酵素のコエンザイムQ10は、安全性が認可される前は心臓薬として使用されてきました。
細胞やサビと関係する報告も多くエイジングケアを積極的におこなう健康や美容アクティブの人たちの間で人気の成分です。
現在では、サプリメント以外にもスキンケアやジュースを始めとする食料品の中にもコエンザイムQ10を目にする機会が増えました。
スタチンと筋肉障害の副作用:
2013年2月に発行された専門誌の報告では、最近の研究でコエンザイムQ10が最も処方される薬の1つといわれるスタチンの副作用のミオパシー(筋肉障害)の症状を改善することが報告されました。
スタチンはコレステロールの値を低下させる働きなどで使用されるようですが、スタチンの薬を利用する全体の10〜15%の利用者において副作用が出ることが報告されているようで、その中でも筋肉障害の発症や体内の補酵素のコエンザイムQ10の合成を減少させるという報告が多いのだそうで、今回の調査では薬をより安全に飲みたい人にとっては嬉しいニュースとなりました。
コエンザイムQ10を用いて調査された調査によると、3ヶ月の間にわたってコエンザイムQ10のサプリメントを摂取する被験者のグループと、偽粒であるプラセボを摂取したグループにおいての差を調査したもので、コエンザイムQ10を摂取したグループにおいては有意な改善が見られたと報告されています。
その詳細としては、3ヶ月間コエンザイムQ10を摂取した被験者では、下記の結果が出ているとのことです。
・28%:筋肉の痛みが減少。
・24%:筋力低下の改善。
・22%:筋肉のけいれんの減少。
研究者らは更なる調査を進めたいとしながらも、今回の調査においてはスタチン服用による筋肉障害の副作用にコエンザイムQ10は有意な改善が見られたと結論付けています。
食べ物に含まれるコエンザイムQ10:
野菜ではブロッコリーや落花生に含まれ、動物性の食べ物ではサバやイワシなどにコエンザイムQ10は含まれています。
Fedacko J, et al. Can J Physiol Pharmacol. 2013;2:165-70.