眼のドライアイとαリノレン酸ALA
ハーバード大学が行った調査によると、眼が乾燥することで知られるドライアイに対して、αリノレン酸(ALA)を利用した調査で大きな改善がみられたことが報告されました。
αリノレン酸は体内でつくることができないために、日頃の食べ物の栄養素で補う必要があることで知られる栄養素です。
眼が乾燥する症状で知られるドライアイは十分な涙が作られずに乾燥し、しばしば炎症や眼の不快、何らかの刺激、熱さ、かゆみなどもドライアイに関連する症状なのだそうです。
ドライアイと現状:
眼のドライアイを患っている人の数はアメリカだけでも1,000万人と発表されており、男性よりも女性に多いと伝えられています。
ドライアイを患っていることで、運転がしにくかったり、好きな読書をあきらめたりと日常生活に影響が出ることも考えられます。
そのこともあり、眼科を訪れる最も多い理由の1つがドライアイであるにもかかわらず、治療法の選択は限られる上に、望んでいない副作用の懸念からも研究が待ち望まれている状態にあるといえます。
αリノレン酸を用いたドライアイの治験と結果:
ハーバード大学医学部のレザ・ダナ教授はマサチューセッツ眼耳診療所(MEEI)で角膜のディレクターも務め、シェフェン眼研究機構での同僚らと共に初めてとなるαリノレン酸(ALA)点眼液をドライアイの調査に使用。
下記の3種類の脂肪酸の点眼液を1日1回をドライアイのネズミの眼に使用し、使用してから24時間の測定調査が行われました。
1. 0.2%αリノレン酸(オメガ3)
2. 0.2%リノレン酸(オメガ6)
3.0.1%αリノレン酸(オメガ3)と、0.1%リノレン酸(オメガ6)の両方を配合
4. 何も受け取らないドライアイ被験者
調査の結果、ダナ教授の報告によると、αリノレン酸を使用したグループはドライアイの症状でもある炎症や、角膜への損傷などにおいて大きく改善した結果となったことを伝えています。
αリノレン酸を含む食べ物:
αリノレン酸のオメガ3は動物性の食べ物では魚に含まれており、特に青魚や小魚は水銀や鉛の量も少なくDHAやEPAも豊富に含んでいることからもおすすめといえます。
食べ物からそれらのオメガ3脂肪酸を補う場合は、熱や気温、湿度に弱い性質を考えると、新鮮な魚を刺身でいただくことが理想です。
植物性では、エゴマ油や亜麻仁油にオメガ3が豊富に含まれていますが、魚と同様に鮮度が大切で、酸化した場合はなめた場合に苦みを感じるようになりますので、苦みがある場合は摂取を控えることがおすすめです。
Reza Dana M.D., M.Sc.,MPH, and colleagues.
Harvard Medical School “Fatty Acids Benefitial in Treatment For Dry Eye Syndrome” 15, Feb. 2008.