フィッシュオイルの炎症と効果
いくつかのオメガ3フィッシュオイルは抗炎症効果を持つ物質のリソルビンD2に変換されることで知られています。
そのリソルビンD2が体内の炎症に働きかける効果への期待が報告されていますので、ご紹介いたします。
イギリスとアメリカの研究者らがねずみを利用した調査でリソルビンD2がバクテリア数と、血液または組織中のさまざま化膿性の細菌や他の病原菌あるいは毒素が存在することで知られる敗血症を減らしたと伝えられています。
ネズミを利用した彼らの調査ではリソルビンD2の使用で下記の結果が得られたとのことでした。
・リソルビンD2が大きく活性化する炎症反応からネズミを守った。
・必要のない白血球の活動を減らした。
・血液からバクテリアをきれいにする助けを行った。
先日報告したばかりの”オメガ3フィッシュオイルと炎症と多嚢胞性卵巣症候群”の中でもオーストラリアの研究で肝臓に溜まる肝脂肪や、その肝脂肪に大きく関係するトリグリセリド、それに血圧を下げる効果が1日4グラムのオメガ3フィッシュオイルで確認されたことが報告されました。
また、炎症が関与していることで知られ、日本(アメリカでは適齢期女性の10名に1名程度)でも増えてきている女性の多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)にも効果があることが、実施されたオーストラリアの研究で伝えられました。
フィッシュオイルと食べ物に含まれる栄養素:
フィッシュオイルは名前のとおり、魚の油ですが、油というと太るイメージとは裏腹に脂肪をつきにくくすることも多くの研究で報告されています。
特にアジ、イワシ、サンマ、サバをはじめとする青魚にはDHAやEPAで知られるオメガ3脂肪酸が豊富に含まれる上に、小さい魚には水銀や鉛等の重金属が含まれる量も、マグロ等の大きな魚に比べると少ないことからもおすすめといえます。
焼いたり揚げたりすることで温度や湿度、鮮度に敏感なオメガ3の脂肪酸は減ってしまうことからも、フィッシュオイルは鮮度の高い刺身でいただくことが最も効率的にオメガ3のフィッシュオイルを摂取する方法といえます。
Spite M. Nature, 2009:461:1287-1292.
ステッドマン医学大事典 Sepsis:1957