オメガ3フィッシュオイルと炎症と多嚢胞性卵巣症候群
オメガ3フィッシュオイルと肝脂肪と炎症:
魚に含まれるDHAやEPAを代表するオメガ3脂肪酸に属すフィッシュオイルは肝臓に付着するいわゆる肝脂肪に有益である可能性が報告されています。
肝脂肪特については、肥満や体重過多、糖尿病前の段階にある予備軍の場合も含めて肝臓に脂肪が蓄積されていることが多いようです。
肝脂肪はただの贅肉や脂肪といったイメージがまだ強いと思いますが、専門家の一部からはその脂肪から炎症が発生しやすく、炎症から悪さをしはじめることについて注意を呼びかけています。
近年では妊娠適齢期の女性が不妊治療の検査の一環で肝脂肪が多いことがわかる場合も多く、その場合は多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の可能性もあることが知られています。
多嚢胞性卵巣症候群について:
多嚢胞性卵巣症候群は略してPCOSとも呼ばれていますが、男性ホルモンのテストステロンの値、不妊症、糖尿病の手前といえる前段階、体重と筋肉と脂肪の指数であるBMIが高い体重過多や肥満といった状態である女性の場合にとりわけ多いことが報告されているようです。
アメリカでは日本以上にその割合が高く、妊娠適齢期にある女性の10人に1人が多嚢胞性卵巣症候群と診断されるともいわれています。
オメガ3フィッシュオイルを利用した多嚢胞性卵巣症候群の調査:
青魚をはじめとする魚に含まれているDHAやEPAの栄養素を含むフィッシュオイルを用いて、多嚢胞性卵巣症候群の女性25名の協力者を対象とした8週間にわたる調査がオーストラリアで行われました。
被験者のグループは1日4グラムのオメガ3フィッシュオイルを摂取するグループと、もう1つはプラセボ(偽粒)を摂取するグループに分かれておこなわれた調査です。
8週間後の検査では、オメガ3脂肪酸のフィッシュオイルを摂取したグループではプラセボグループよりも肝脂肪、肝臓脂肪に関係するトリグリセリド、血圧の全ての項目において数値が減少したことで改善が確認できたことが専門誌で報告されています。
食事に含まれるDHAとEPAの栄養素:
DHAは日本でも最も良く売れている栄養素の1つですが、DHAを豊富に含む食べ物としてはマグロやブリ、アジなどの魚に含まれています。
EPAは特に青魚のイワシ、サバ、アジ、サンマ、それにマグロにも含まれていることで知られています。
DHAやEPAのオメガ3類ののフィッシュオイルや他のオメガ3脂肪酸は気温や湿度、酸化に弱いために、それらの栄養素を食べ物で補う場合には新鮮な刺身がおすすめといえます。
Cussons AJ. Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism, 2009;94:3842-3848.