NアセチルLシステインと多嚢胞性卵巣症候群と排卵や不妊症
多嚢胞性卵巣症候群と不妊症:
年頃の女性の10人に1人はPCOS(嚢胞性卵巣症候群)と見積もられているとアメリカの専門誌は報じています。
多嚢胞性卵巣症候群の多くは、女性またはカップルが病院の婦人科での不妊治療中において、不妊症の原因や卵巣の少なさの原因を探している際に発見されるそうです。
また、ホルモンのテストステロン値やインスリンが高い場合や、糖尿病の前ともいわれるインスリンレジスタンス、体重過多等によっても形成されたり、関連性があったりするようです。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の治療法の1つ:
多嚢胞性卵巣症候群には薬を使用した治療例として、糖尿病にむけた薬である抗糖尿病薬であるメットフォーミンの使用や、近年の研究ではNアセチルLシステイン(NAC)のサプリメントが排卵症状の改善を含むさまざまな改善へと導いていることが伝えられています。
NアセチルLシステイン(NAC)を利用した多嚢胞性卵巣症候群治験例の1つが専門誌に掲載されています。
イランのテヘランにあるシャヒドベヘティ医学大学のサグハーサレポー医学博士と彼女の同僚は6週間にわたり、多嚢胞性卵巣症候群と診断された46人の女性に対して一日に1,800mgのNアセチルLシステインと偽粒であるプラセボを用いた調査を行いました。
NアセチルLシステイン(NAC)とダイエットや女性の健康とホルモンと排卵の働き:
サイポー博士の報告によると、NアセチルLシステインが月次の被験者の女性たちの排卵増加へと導いたとし、使用したNアセチルLシステインのサプリメントはまた、体重、BMI(ボディ・マス・インデックス)、ウエスト、お尻のサイズの割合においてダイエット効果ともいえる大きな軽減へと促進を確認した。
加えて、血糖値、インスリン、総コレステロール、LDLコレステロール、インスリン値のマーカーともいえるHOMA-IRも減少し、女性ホルモンの値には変化が無かったと分析。
同博士は、「より長いNアセチルLシステイン(NAC)を使用した治療では、更に希望が持てる結果が出るかもしれない。女性においては、男性ホルモンの高い値は小胞の成熟と関係し、排卵の誘発にNアセチルLシステイン(NAC)は卵巣でより多くの小胞を保持しているようだ。」と解説しています。
また、NアセチルLシステイン(NAC)を用いた更に長い治療は、男性ホルモンの抑制効果をはじめ、より希望する結果に近づくかもしれないことと、NアセチルLシステインがアメリカでよく使用されている人気の鎮痛剤であるタイレノールの過剰投与や肺の粘膜の透明な粘着性分泌物である粘液の治療に使用されたり、インフルエンザの症状を大きく軽減させたい時に使用されたりすることからも、NアセチルLシステイン(NAC)は可能性のあるおすすめされるべきアンチオキシダント(抗酸化物質)成分の1つであることを伝えています。
Salehpour S, Tohidi M, Akhound MR, et al. NAcetylcysteine, a novel remedy for poly cystic ovarian syndrome.
International Journal of Fertility and Sterility, 2009;3:66-73.