心臓病の食事栄養素と予防
心筋梗塞などをはじめとする心臓病疾患と聞いても、何となく日本人にはあまり関係の薄い病気のようなイメージがあるのかもしれません。
欧米諸国のように、日本では心臓病が原因で命を落とす人の数はさほど目立たなかったことが要因かもしれませんが、近年は食生活も大きな転換期を迎え、心臓病にかかる人の数は日本でも大きく増えているために、もう一度食生活の見直しが必要な時期にきているように思います。
●心臓病と食事の関係:
ヨーロピアン・ソサエティー・オブ・カーディオロジー(ヨーロッパの心臓学協会)が報告した新しい研究によると、果物を毎日食べることで心臓病のリスクを40%まで回避すると発表しています。
その新しい研究でによると451,680人以上の参加者に対して7年間にわたり参加者の果物の消費に関して、全く食べない、月間、週に1~3回、週に4~6回、毎日に分けて調査したという内容です。
心臓病と食事における他の更に長い14年間をかけた研究例でも毎日果物を食べることで心臓病のリスクを低減する結論が出ており、特に果物の中でもオレンジやレモン、グレープフルーツをはじめとする柑橘系果物においては特に良い結論に至っていると発表されています。
●心臓病のリスクを高める食事:
心臓病と食事の関係の中でも今回の例とは逆にリスクを向上させるデータも数多く存在しますが、想像するのに難しくないとおり加工食品やジャンクフード、揚物、スイーツの中でも砂糖類と油の組み合わせは特にリスクが高まるようです。
●海外の心臓病予防策例:
日本では導入されていないものの病気の予防を高いレベルで目指そうと試みが進んでいるニューヨーク市の事例では2005年過ぎ頃にはマーガリンやスナック、スイーツ等に使用される人工添加された油であるトランス脂肪酸の使用が禁止されています。
日本ではマーガリンが販売されていますが、アメリカでは州や地域によってはトランス脂肪酸を多く含むために販売自体が禁止されていますし、ドーナツショップやファーストフード店でもトランス脂肪酸の使用が禁止されたことが、世間に大きなインパクトを与えたといえます。
トランス脂肪酸の詳細説明は近いうちにこの場で説明をすることにしますが、一般的に身体に良いといわれる脂肪酸のαリノレン酸に代表されるDHAやEPAのオメガ酸の油とは同じ油の分類に入るものの反対の働きです。
●日本人の果物消費量:
日本の厚生労働省による国民健康・栄養調査では日本人の果物の消費量は年々減少の一途をたどっている数字が出ています。
顕著に果物離れが進んでいるようですが、特に30代、40代、50代の世代での消費が減り、逆に加工食品が増えているのだそうです。
おいしいだけでは売れず、最近はカット野菜や果物が豊富に出ていますが、ビタミンミネラルや酵素をはじめとする栄養素の消失と共に酸化防止剤などの添加物に関して注意が必要です。
●野菜や果物100%ジュース、青汁やサプリメント:
天候不良で野菜の価格が高騰していることについてニュースのインタビューで野菜や果物の価格が高いので、代わりに野菜や果物ジュースで100%のもので代用している、あるいは青汁やサプリメントで済ませているという意見もありますが、あくまでもそれらは補足的には良いかもしれませんが、基本の栄養素は新鮮な野菜や果物からの摂取を大前提にすることがおすすめで不可欠です。
2014/09/05の更新版です。