ルテインと白内障の予防
眼の水晶体のすべて、あるいは部分的に混濁している状態をいう白内障は日本でも加齢、つまりは年齢を重ねて行くと共に増えてくる症状の1つで知られています。
海外でも日本同様に白内障にかかる人は多い訳ですが、予防のためにルテインやゼアキサンチンといった成分をはじめとする栄養素を含んだサプリメントを試みる人の数は少なくありません。
実際に比較的多い被験者で調査が行われた研究報告がありましたので、下記のとおりご紹介いたします。
ルテインやゼアキサンチンと白内障:
平均73歳の年齢関連で進行性の黄斑変性リスクが大きい決勝腔が一眼の男女4203名をランダムに選出し、下記の3つのグループに分けて調査されている研究報告です。
1 ルテイン10mgと、ゼアキサンチン2mgの2成分を含む粒
2 オメガ3脂肪酸(DHA650mgと、EPA350mg)を含む粒
3 プラセボ(見せかけの偽)粒
研究者らは4.7年を経過した時点で、その被験者の眼の状態を検査し、調査前と5年近く経過した時点での差を調べたところ、下記のような差が生じていると伝えられています。
ルテインとゼアキサンチンの両方の成分を含むグループにおいては他のグループと比較した場合に、大きな差といえる平均すると4%程度低い白内障手術率でした。
また、ルテインとゼアキサンチンのサプリメントを摂取した被験者のグループの中には他のグループよりも32%程度の白内障進行リスクが低く推移しており、白内障の進行が遅い状態であることが報告されています。
観測と治験でルテイン、更にはカロテノイドに分類されるゼアキサンチンも関連する可能性として、年齢関連の黄斑変性の白内障の申告を遅らせたり、予防することが可能といえ、今回の研究でルテインとゼアキサンチンのカロテノイドを含むサプリメントはまた、摂取した被験者を観る限りでは白内障の進行を遅らせる可能性を示したと結論づけられています。
そのメカニズムは確かとは言えないものの、抗酸化物質のルテインやゼアキサンチンが持つ働きの中に、眼のレンズたんぱく質の酸化を減らすことで、白内障進行の予防を助けているのかもしれないと結ばれました。
ルテインやゼアキサンチンを含むおすすめの食品:
今回の研究では4年以上をかけておこなわれたもので、実際の生活の中では一般的にサプリメントを継続することによる経済的な負担も考える必要性もありますし、サプリメントはあくまでも普段の食事で補いきれない栄養素を補うための補助食品でしかありません。
一番大切なことは、まずは普段の食事の中にルテインやゼアキサンチンを含む食品を食べることで白内障の予防や進行を遅らせることができることができるように取り入れることではないでしょうか。
下記の食品の中にルテインやゼアキサンチンを含んでいるとされています。
ほうれん草、ケール、深緑の葉野菜、卵の黄身、ブドウ、オレンジ、ズッキーニなど
Chew EY et al. Lutein/Zeaxanthin for the treatment of age-related cataract: AREDS2 randomized trial report no.4 JAMA Ophthalmol. 2013;131:843-850