オリーブ葉エキスと炎症と関節
アメリカでは一時期影を潜めていたエイズで知られるHIVポジティブが近年になって10〜20代の若い世代を中心に再び感染されている診断をくだされる男女の数が増えていることが報告されています。
また日本でも同様にその数が増えていることが報告されたばかりです。
体中で炎症が起こっているような状態のエイズに関しては治療薬も発展したものの、アメリカではとりわけ高額医療に分類されることと、高い薬代を支払い続けることの難しさから治療を断念している人が多いという可能性が指摘されています。
エイズに関わらず風邪やインフルエンザ、花粉症、アレルギー、関節痛からがんにいたるまでの疾病は体内で炎症が大きく関係していることから、近年は炎症に関わる研究報告や成分に関しての報告を目にする機会がまた増えてきたようにも思います。
オリーブ葉エキスと炎症:
最近の研究報告の中から、日本の検査法を用いた治験も報告されていましたので、今回はそのオリーブの葉エキスと変形性関節の炎症についての報告をご紹介したいと思います。
平均年齢61歳の25名のひざの変形性関節炎症と診断される男女が被験者となり、オリーブ葉エキスとプラセボ(偽粒)のダブルブラインド検査法を使用して調査が行われました。
1つのグループにはオリーブ葉エキスが入った粒を1日に50mg摂取してもらい、4週間の期間中毎日摂取した結果、偽粒と比較してオリーブ葉エキスを摂取したグループにおいて痛みが大幅に改善されたことが報告されています。
検査方法は日本式の整形外科学による検査方法を採用して痛みを数値化して測定したものに加えて、見た目のアナログ値も使用して検査が行われました。
オリーブ葉エキスとオリーブオイル:
オリーブ葉エキスにはフェノール成分で水酸化されたチロソールという成分が豊富に含まれ、同じように同成分はエキストラバージンのオリーブオイルにも含まれるようですが微量なのだそうです。
その成分には強い抗酸化作用、抗菌作用、抗ウィルス、抗炎症に関しての働きを持つことで知られており、今回のオリーブ葉エキスと炎症の調査では、その働きがチカラを発揮したものと報告されています。
オリーブオイルでも抗炎症作用が報告されており、他の研究では5種類の異なるエキストラバージンオリーブオイルの分析をしたところ、1kgに対して水酸化チロソールの量が80〜150mgの範囲内で含まれていたようですが、スプーンで4杯摂取したとしてもオリーブ葉エキスの今回の研究量の43〜83%と量が多く必要なことの上に、オリーブオイルを精製することでほとんど全ての水酸化チロソールが失われることが判明しているために、オリーブ葉エキスが脚光を浴び始めている理由の1つとなっているのかもしれません。
日本のオリーブ:
日本でオリーブオイルとしては香川県の小豆島が産地として知られるとことです。
オリーブ葉エキスの名前で生産されているかはわかりませんが、世界的には知名度としては地中海産のオリーブ葉エキスがおすすめされています。
抗酸化作用に優れたポリフェノールを豊富に含むことから、オリーブオイル同様にオリーブ葉エキスも日本で知名度が上がってくる日がくる可能性もあるのではないでしょうか。
Takeda R et al. Double-blind placebo-controlled trial of hydroxytyrosol of olea europaea on pain in gonarthrosis. Phtomedicine, 2013;20:861-864