ビタミンEのアルツハイマー脳との関係
2014年に行われた研究でビタミンE(DL-アルファトコフェロール酢酸)とアルツハイマーの関連性が報告されています。
アンチオキシダントで知られる高い抗酸化力の働きを含みながら主に細胞膜に存在して不飽和脂肪酸を活性酸素から守る役割が報告されているビタミンEのアルファトコフェロールを摂取することで控えめ(モデラート)から少し進んだ穏やか(マイルド)と呼べる段階のアルツハイマーと診断される人びとで多くが摂取するアセチルコリンステラーゼ阻害剤も飲む人びとのアルツハイマーの進行を遅らせると判断された研究報告です。
研究はビタミンEのアルファトコフェロール、メマンチン、その両方を摂取する3つのグループに分けて、効果と安全性を評価した調査が行われました。
以前に同様の研究でアルファトコフェロールを使用して行われた調査では控えめなアルツハイマー病の人びとには進行を大きく遅らせるというデータを示したことと、メマンチンと拮抗剤の使用についてもまた効果を示したとしながらも、穏やか(マイルド)な段階のアルツハイマーと診断される人びとには効果が小さく限定されたと報告された経緯があったようです。
今回行われた調査で研究者らは613名の穏やかから控えめと診断されたアルツハイマーの患者を14のベテランと呼べる医療センターから選出し、被験者をランダムに下記の4つのグループに分け、4年間にわたり6ヶ月毎にアルツハイマー病のための日常生活協会調査・活動(ADCS-ADL)に準ずるスコアを通して日々の生活能力の実行やお風呂や着替えを含むセルルケアを調査したものです。
1: 1日2000IUのアルファトコフェロール(152名)
2: 20mgのメマンチン(155名)
3: アルファトコフェロールとメマンチンの両方(154名)
4: プラセボ粒(偽粒)(152名)
4年間にわたる調査ではどのグループよりも、ビタミンEのアルファトコフェロールを1日2000IU単独で摂取したグループが最もアルツハイマーを効果的に遅らすことができたということと、アルツハイマー病のための日常生活協会調査・活動(ADCS-ADL)の証明スコアが下記のように発表されています。
アルファトコフェロールを摂取したグループの平均経過:
1年目:10.6ヶ月遅らせた
2年目:8.7ヶ月遅らせた
3年目:9.3ヶ月遅らせた
4年目:1.8ヶ月遅らせた
調査報告の結論とその内容:
上記の数字はプラセボ粒を摂取したグループと比べて、4年間で年率換算で19%以上減少させたこととなると報告すると共に下記が追記報告されています。
アルファトコフェロール(ビタミンE)は患者の日々の行動を助け、介護者の負担を急に増やさず、ナースホームの必要性を減らした。
時間も他の手助けの上昇も少なく、コスト価値もあると判断できると研究者らによる報告。
加えてビタミンEの安全性が確認された。
アルファトコフェロールを摂取したグループにおいての全死亡率は年間7.3%だったことと比較し、プラセボ粒摂取のグループでは9.4%だった。
以上が調査報告書の内容でした。
ビタミンE栄養素と食事:
ビタミンEを多く含む食材としては下記があります。
うなぎの蒲焼き、イカ、鮎、モロヘイヤ、カボチャ、ほうれん草、アーモンド、落花生、オリーブオイルなど
ビタミンEは脂溶性ビタミン類に属すだけあって、脂質を含む食材に多く含まれています。
Dysken MV, Sano M, Asthana S, et al. Effect of vitamin E and memantine on functional decline in Alzheimer desease: the TEAM-AD VA Cooperative Randomized trial. JAMA, 2014;311(1):33-44.