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ビタミンDと高血圧の関係についての報告

2015年03月13日

女性と妊婦の健康

 

高血圧の専門誌の報告によると、日光に当たる時間が減りがちな冬の期間にビタミンDを毎日摂取することは血圧を下げ、高血圧が原因のリスクを減らすことができるかもしれません。

 

高血圧:

日本でも増えている高血圧ですが、アメリカでは更に高い確率で高血圧になっていることがわかります。

米国政府系組織の疾病管理予防センターの発表では約3人に1人の割合のアメリカ人成人は高血圧と報告しています。

高血圧と定義されるのは、私たちが一般的に「上」といっている収縮期血圧が140以上、「下」と呼んでいる拡張期血圧が90以上とアメリカでは定義されており、それらと同等あるいは上回っている人が約3人に1人存在するために高血圧大国といえるだけに研究や報告も盛んにおこなわれているようです。

 

ビタミンDと高血圧の研究:

アメリカやカナダ、ヨーロッパではビタミンDのサプリメントは一般的に普及しており、特に冬の期間中は日光に当たる時間が減ることや、風邪やインフルエンザをはじめとするウィルス性の菌が増えることからもサプリメントをはじめとするビタミンDを摂取する人が多く存在します。

 

今回行われた調査はデンマーク北部在住の130名の高血圧の白人に対して、ランダムに75mg(3000IU)のビタミンDと偽の粒であるプラセボの2つのグループに分けて、寒い時期であると共にビタミンD合成が不在の時期ともいえる10月と11月を含む20週間にわたりおこなわれたものです。

 

調査では高血圧と関係する動脈硬化の測定値である24時間の血圧、中心血圧と脈派の速度を計測するとともに、ビタミンDやカルシウム値、副甲状腺ホルモンも測定し、20週間後の変化を観察することでの変化が報告されました。

偽粒であるプラセボグループと比較し、ビタミンDを摂取したグループの方が体内でのビタミンDとカルシウム量の大きな増加が測定されたと共に、副甲状腺ホルモンのレベルも低下したことが報告されています。

 

ビタミンDのすべての被験者において、プラセボよりも中央血圧の低下を示し、平均して「上」と呼んでいる収縮期血圧で6.8mmHg下がり、「下」と呼んでいる拡張期血圧も1.7mmHg下がっていることと、脈派速度に変更は無かったことからも、少なくとも高血圧の白人で冬期間中に毎日75mcg(3000IU)のビタミンDを摂取することで中央血圧において有意な減少となったと結論付けています。

 

ビタミンDは太陽のビタミンといわれるだけあって、毎日20分程度日光に直接当たっていると体内で合成されることが知られています。

日本では特に人気の高い栄養素でもなく、欧米のように冬の時期に多くの人が摂取する特別なビタミンでもありませんが、欧米では高血圧に限らず、ウィルス性の菌や神経や精神、免疫、がんなど幅広い分野での多岐にわたる調査報告の結果、以前から冬の期間中は特に人気の高い栄養素として定着していることからも、今後は日本でも脚光を浴びる時期がくる可能性もあるように思います。

 

 

参照:

Vitamin D Impacts Blood Pressure

Vitamin D can pack a Punch for Blood Pressure

The Journal of Hypertention in April 2012

Larsen T. et al. J Hypertension 2012;30:e103

 

ビタミンDの説明

 

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