妊娠と葉酸の健康
女性は妊娠をした時には、食べ物の嗜好変化によって妊娠をしていることに気づくことがあるといわれます。
それは母体の体内が酸性に傾いていると体内で酸素が欠乏しやすくなることで、胎児に悪影響を及ぼしてしまう可能性が出てくるために、身体が自然と肉類や脂を多く含む食材や加工食品に多い酸性の食事から、野菜や果物、酢の物や梅干しなどアルカリ性の食事を摂りたくなるように本来はできているのだそうです。
妊婦と葉酸の摂取量
妊娠予定や妊娠中の女性にとってビタミンB群の一種である葉酸は婦人科や友人の間、あるいはインターネット上からも聞き慣れた言葉の1つかもしれません。
子供を授かるということは人生の中でも大きなイベントの1つであり、生まれてくる子供を思う親とすれば、健康にできるだけ気を遣いたいと考えるのは自然な感情といえます。
世界的な組織であるWHOでは健康的な妊婦に対して、特に妊娠後の10週間の期間中は神経管疾病のリスクを減らす目的からも適量の葉酸が推奨されています。
一日あたりの摂取量としては、0.4mg(400mcg)の葉酸がおすすめされています。
また神経管疾患の家系の妊婦の場合においては、その約10倍にあたる1日あたり5mg(5000mcg)の葉酸がおすすめされているようです。
葉酸の過剰摂取?
ポルトガル大学医学施設とポルトガルカトリック大学によるネズミを使用した共同研究によると、WHOが妊婦におすすめしている葉酸の20倍の量を妊娠中と授乳中のネズミに与え続けたところ、その子供が成長してから肥満や糖尿から守るホルモンといわれるアデポネクチンが欠乏しやすいことが報告されました。
またメスとオスでは特にメスにおいてその状態により発展しやすいとのことでした。
ちなみにWHOから推奨される適正量の葉酸を与え続けた場合ではより健康に成長したことが説かれています。
葉酸に限らずいえることのように思いますが、妊娠中の体調には変化が無い場合でも、後に関係してくる可能性も念頭においておく必要があります。
今回の研究はあくまでもネズミをもちいたものであるために人体での影響は報告されていませんが、妊娠中の葉酸の摂取は大切とされながらも、一定の上限を設けるなど過剰になりすぎないことを検討することも大切といえます。
葉酸について:
葉酸は別名をビタミンMという水溶性のビタミン成分で知られます。主な働きの中には赤血球をつくるサポートをしたり、細胞の再生を助けることも葉酸の働きに含まれています。
調理などの加熱によって葉酸は効力を失うことからも、生の野菜や果物が葉酸摂取のおすすめといえます。不足しやすい為に、一般的なサプリメントとしても普及しています。
Excess perigestational folic acid exposure induces metabolic dysfunction in post-natal life.
Journal of Endocrinology, 2015;224(3):245 DOI:10.15301 JOE-14-0448
葉酸の成分