がん予防の食事と栄養素
近年の日本では、がんで命を落とす人が一番多いことが報告されています。
アメリカが1991年頃までは同じような基軸をたどってきましたが、91年以降は減り続けてきました。
本来であれば、アメリカがそうしてきたうように、日本でも国が先導してがん予防をはじめとする病気の予防について国民に対してメッセージやヒントを提供してくれることが食習慣や生活習慣を変えるヒントとなる近道なのかもしれません。
生活習慣病と栄養素
アメリカでがんによる死亡率が下がった大きな役割を担ったのは70年代に発表された生活習慣報告のマクガバンレポートや80年代にも報告された生活習慣病と健康に関する研究レポートで知られるチャイナスタディを中心とした政府中心の調査報告書のように思います。
日本でもチャイナスタディは一部の人の中で第二のマクガバンレポートとして大きな反響を呼んでいます。
生活習慣病といっても食生活と栄養素が大きな部分を占め、それらはわたしたちが日本でいてもあてはまることでもあります。
がん予防と食事
チャイナスタディをはじめ、食物や食事による栄養とがんなどにも焦点を充てた研究報告を数多く発表されておられるコリンキャンベル博士によるとがんと食事や栄養素は大きく関連性が確認されており、その1つとして動物性食品の過剰摂取ががんの協力な要因になっていると報じています。
がん予防をしっかり行う場合は肉類を控えることの意義を説かれています。
タンパク質の量と質が大切としながら、がん予防にはタンパク質の量を摂取しすぎないことをおすすめしています。
それはたんぱく質の必要量を超えることががんに関わらず病気の予防から病気へ移行することにつながり、たんぱく質のおすすめ摂取量である食事全体に占める8〜12%で十分な範囲であることも報告しています。
ゲノムの解読
最近日本でもゲノムという言葉を耳にする機会が増えました。
解読されたこと自体が驚くべきことですが、ヒトゲノムとチンパンジーのゲノムを見比べると興味深い事実が観えてきたようです。
人間とチンパンジーのゲノムはほとんど似通っていることと、違いは3.9%程度しかないという点です。
そのことが報告されてからもアメリカでは肉食を見直す人が増え、その結果として病気の予防にもつながっているという報告が後を絶ちません。
昔からチンパンジーは肉を食べることなく、植物や果物が中心のいわゆる草食動物に分類されている点と私たちの食事の内容を比較することで肉食が見直されているということになります。
がん予防や食事、栄養素に深く関わりながら研究報告を重ねるキャンベル博士は以前は肉食を好まれていたのだそうですが、近年では野菜や果物を中心とする菜食で知られています。
私たちが住む日本でも無関係ではないことからも、パラダイムシフトが求められている時のように思えます。
参考にした情報:
マクガバンレポート
チャイナスタディー