健康と病気予防の食べ物や食事と食習慣
日本人の食べ物や食事と遺伝子
現代は昔の先人が暮らしていただ頃に比べて病気になりやすい環境が整っている時代といえるのかもしれません。
私たち日本人や周辺諸国も含むアジア人はもともと農耕民族といわれるいわゆる穀物や野菜、果物を中心とした食事をしてきた省エネ体質の民族であったことが報告されています。
ここ数十年で日本は大きな経済発展を遂げ、同時に食べ物や食事と食生活も大きな変化を遂げる時代に入りました。
多くの人々ががんや糖尿病、認知症をはじめとする疾患を患う現代となりましたが、精神的な部分を除くと身体は食べた物から成り立っていることを考えると、数千年親しんできた身体は現代の食生活に対応できているのか問い直す必要があるのではないでしょうか。
肉食が増えた食事
WHOの発表では世界で氷や海で覆われる土地以外で最も使われている土地は食肉を育てるための土地なのだそうです。
面積では全体の約四分の一を超えた26%に達し、全世界の人たちを養うために食肉飼育の土地が年を追う毎にその面積が拡大しているのだそうです。
日本でも昔に比べて肉を食べる頻度は比較する必要がない程に増えていることは考えるまでもありません。
戦争を経験した方やその後に生まれた先輩方に伺ってみても、肉はご褒美で月に一度なんていうことも少なく無かったと言われていました。
他の栄養素と病気
日本だけにとどまらず、世界的にカロリーが高く栄養素が少ない食事をする傾向にありますが、日本の食事の場合は圧倒的に炭水化物が多く、逆に野菜や果物の消費量が少ないことが世界の専門家の間では指摘されており、もっと野菜や果物を食べることが病気を予防し、健康を維持するために必要といわれます。
世界的に若年層や世帯年収、最終学歴、住環境や地域で偏食が進んでいることと、体内に取り入れる栄養素のバランスと大きく関連しているという報告があります。
日本でも全日本民主医療機関連合会の調査で世帯年収が低くなるほど、そして最終学歴が低くなるほど食事を始めとする生活習慣が起因する2型糖尿病になる確率が大きく、食生活の見直しの必要性が問われています。
健康維持と病気予防食
日本での病気予防食にはやはり歴史的に長く続いてきた和食が適しているように思いますし、「ま・ご・は・や・さ・し・い」に代表される豆、ごま、わかめ、野菜、魚、しいたけ、芋を普段の食生活に取り入れることが望ましいとされています。
アメリカで最も有名な家庭医であるファーマン博士から日本に向けた病気予防食の提言として、パンやラーメン、パスタに多い小麦粉や炭水化物を減らすと同時にもっとビタミンミネラル、アミノ酸やポリフェノールといった必要栄養素を豊富に含む野菜や果物を増やすことがおすすめされています。
食事の土台が炭水化物であることが病気との関連性を高めていると指摘した上で、食品ピラミッドの一番の土台を生野菜を含めた野菜を食事の30から60%に増やすことと、年々減り続けている果物の消費をもう一度増やすと共にカロリーの高い加工食品や肉類を減らすことが病気予防食につながることからおすすめされています。