カルシウムとサプリメントと臓器
ミネラルの一種であるカルシウムががんと関係しているのかもしれません。
アメリカのハーバード大学環境衛生の調査によると、カルシウムのサプリメント又は乳製品ではないカルシウムを含むミネラルが臓器に関連するがんのリスクを減らす可能性があることが報じられました。
国際がんジャーナルによるとカルシウムのサプリメントで300mg増やす毎に行われた調査ではリスクは9%程度減少したとナナケウム氏とその研究チームが報告しています。
カルシウムと臓器のがんリスク:
アメリカ全土で2003年から2006年に行われたの国家健康と栄養実態調査では50歳以上の成人は平均して一日650mgのカルシウムを摂取していることが明らかになっていますが、今回発表された研究調査では過去に実施された15件の研究データを基に統計を算出したもので、期間は3.3年から16年間で12,305件の臓器がんとカルシウムのサプリメントを含む一日250から1,900mgの間で摂取した事例です。
ケウム氏とその研究班の報告によると一日に食事とカルシウムのサプリメントを含む1,000mgを超えるカルシウムの摂取で臓器のがんのリスクを減らす可能性があると結論付けられました。
牛乳とカルシウム:
カルシウムといえば牛乳に多く含まれるという印象を持つのは日本以外の多くの国においても一般的なことですが、近年アメリカでは乳製品の中でも牛乳についてはいくつかの理由から敬遠する人が増えています。
牛乳を飲むことで有益な代表的なことはカルシウムを補給できることですが、同時に懸念点もいくつか存在しており、アメリカでは例えばカロリーや高い脂肪、ホルモンやカゼインタンパク質などの心配される要因が挙げられており、牛乳以外の食材からカルシウムを補おうとする人たちが多く、カルシウムを含むサプリメントを利用する人たちも多く存在しているのが現状です。
カルシウムの懸念:
主にサプリメントでのカルシウム補給に言えることかと思いますが、単一の栄養素だけを摂取することにおいては懸念点も同時に存在しています。
私自身も何らかの特別な理由が存在しない限りは単一の栄養素ではなく例えばカルシウム以外のミネラルやビタミンを始めとする栄養素を同時に含むことが望ましいと思っていますが、同時にアメリカの臨床栄養ジャーナル2012年11月号に掲載されるハーバード大学のメディカルスクールの調査では心配の1つと言われている心臓へのリスクとは関連性がないことと報告されている事例も存在するのも事実です。
サプリメントではカルシウムの栄養素だけを単一に含むものが多く存在していますが、他のミネラルとの配合も同時に増えています。
特にマルチミネラルやマルチビタミン&ミネラルといったサプリメントの中にカルシウムの栄養素が含まれています。
また骨の健康を考えられたサプリメントにもカルシウムが含まれています。
サプリメントでカルシウムを摂取する場合、近年はカルシウムとマグネシウムの割合が1:1で含まれるものが多いのではないでしょうか。
カルシウムと食事:
カルシウム入りのサプリメントも人気ですが、栄養素を摂取する大前提は食事に頼ることが望ましく、食事を疎かにしながらサプリメントで補うというのは本末転倒となってしまいます。
食事の基本はやはりカルシウムも含まれるミネラルやビタミンの微量栄養素が豊富な野菜や果物、身体に良い油で魚やオリーブオイルや最近日本でも人気のココナッツオイルに代表される脂質も現代の私たちの食生活では必要な栄養素です。
カルシウムは乳製品や小魚等にも含まれます。
日本では10年以上にわたり一人当たりの年間消費量において、野菜も果物も魚も減少をしています。
それらとは反対に肉類や小麦、加工食品などは増えています。
それらを考えるとカルシウムをはじめとするミネラル栄養素は不足しがちになりますので、気になる場合はまずは食事を見直してみることがおすすめです。
参考
International Journal of Cancer 2014 Volume 135, Number8, p1940-8, dpi:10.1002/ijc.28840
Calcium intake and colorectal cancer risk
American Journal of Clinical Nutrition 2012 November