抗生物質と健康と食肉
私たちが食べている牛肉や鶏肉、あるいは豚肉には以前より多くの抗生物質が使用されていることがアメリカでは報告されています。
人間の使用目的として処方されているすべての抗生物質でも、全使用量の半分にあたる50%においては、そもそもその処方自体が適切でなかったか、あるいは処方の必要さえ無いことも最近のアメリカ疾病対策センターの発表で明らかになっています。
食用としての家畜に抗生物質を使用することは、もちろん私たちの健康にも影響を与えていることにもなります。
2014年10月3日のウォールストリートジャーナルのヘルス記事「家畜への抗生物質利用、人への利用増加につながる」によると、アメリカの政府機関である食品医薬局(FDA)が家畜の使用目的で販売されている抗生物質において、2009年の1270万kgから2012年の1450万kg期間中の3年間だけでも販売量が16%も増加していると述べています。
食肉への抗生物質の使用については、ウィルス感染や他の病気予防や治療以外にも成長を早めるためのホルモン剤としての使用も多く含まれていることは周知の通りではありますが、それらの抗生物質が使用された食肉を食べる私たちの健康への影響がどの程度あるのかは計り知れませんが、報告ではその食肉への抗生物質利用のうちの60%は医学的に人体への重要な影響を及ぼすと報告されています。
抗生物質の影響を最小限にして健康を維持するために
普段私たちが口にする食肉にどの程度の抗生物質が含まれ、健康へ影響を与えているかは日本ではわかりませんが、上記のことをふまえて考えた場合、私たちの体内にも間接的に多くの抗生物質が入り、健康被害をもたらしていることも考えられます。
アメリカでは上記のような報告を受けて、以前から肉を食べる量を減らしたり、菜食主義になる人が増えていることがわかっていますが、そうすることで欠乏する栄養素、特にタンパク質の確保やオメガ酸をはじめとする脂肪酸、ビタミンB、アミノ酸等を他の食材で確保する必要もあるために専門家の間でも賛否両論です。
抗生物質が与える体内への健康の影響についての予防策としては、可能な限り体内に入ってしまう抗生物質を体内から出すことが考えられます。
例えばサラダや果物などに含まれる食物繊維や酵素、微量栄養素のビタミンやミネラルを豊富に摂取し、身体に良いとされる油で知られるDHAやEPAを始めとするオメガ酸栄養素、適度な運動やお風呂で汗をかくことも健康法の1つといえるかもしれません。
同時に体内で抗生物質等の悪い影響を助長しやすい身体に悪い脂や、炎症を発生させやすい加工食品を控えるなども考えられます。
日本では野菜の年間摂取量も、また果物の購入量においても年々減少していることが政府機関による発表で明らかになっています。
食事における野菜や果物の健康的な栄養素の摂取量は減っており、その代わりに加工食品が増えていることが考えられます。
健康を守り抜くためにも、もう一度日頃の食事の内容を見直すことが大切といえます。