オメガ3系脂肪酸と脳
細胞や脳と油
私たちの体内には60兆もの細胞が存在するといわれていますが、そのエネルギーを動かす栄養素の働きは過酷であることは容易に想像できます。
また私たちの考えや言動の基になっている脳の働きは、脳にぼけてもらっては快適な生活を送ることはできません。
細胞に正しく働いてもらう細胞膜をつくっているのも、脳を構成しているのも油であることがわかっています。
脳は60%が油であることを考えると、いかにその脳を支える油である脂肪酸の中身が大切で、その内容で脳も細胞膜の働きを大きく左右するかがわかります。
脳内のオメガ酸と油
脳内に存在する60%といわれる油も種類を問わずあれば良いというものでもありません。
理想の脂肪酸バランスとは体内で合成できない必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6のバランスにおいて、オメガ3が1に対して、オメガ6は1〜4程度といわれています。
それが現代の食生活では、新鮮な魚を中心としたオメガ3脂肪酸の摂取が減ると共に加工食品などに含まれるオメガ6についての摂取割合が増加しているために脳内の脂肪酸のバランスがオメガ3が1に対して、オメガ6が10をはるかに超えている人の割合が急増しているとされています。
オメガ3とオメガ6
オメガ3もオメガ6の脂肪酸も同様に不飽和脂肪酸の中でも必須脂肪酸といわれるだけに必要な油であることは間違いありません。
ただし先ほども上記でお伝えしたようにオメガ6のバランスが多すぎることで健康体が崩れているために修正していくことが必要になります。
オメガ6は具体的にはマーガリンなどの人工的につくられたトランス脂肪酸の摂取量が多いのですが、それ以外にも揚げ物などにも多く使用されているベニバナ油やコーン油、ごま油をはじめとする油に多く含まれています。
オメガ3は新鮮な魚が私たちにとっては馴染みが深いのですが、食生活の中での摂取ではフィッシュオイルといわれるDHAやEPAが良く知られる脂肪酸です。
そのDHAやEPAは特に青魚と呼ばれるイワシやアジ等の比較的手が出しやすい魚に含まれ、大きな魚ではマグロにも豊富ですが大きな魚になるほどに水銀や環境ホルモン等の物質も同時に体内に多く入れることになるために注意が必要です。
現に私たち日本人の体内の中には環境汚染物質が他の欧米諸国の人々よりもたくさん含まれていることが研究で明らかになっています。
積極的なオメガ3
オメガ3よりもオメガ6が増えることでの懸念材料として、脳やダイエット、細胞膜におさまらず、アレルギーや病気の原因となる炎症や血栓が体内で発生しやすい身体になることがわかっています。
必須脂肪酸は体内で自動的につくられるものではないために、普段の食生活でバランスを整えていくことが必要となります。
やはりおすすめは新鮮な魚を生でいただくことと、同時にオメガ6の脂肪酸を多く含む食事をコントロールしていくことにつきるのではないでしょうか。
現代のようにどこででも、またいつでも手軽に食べ物がある状態になったためにオメガ3とオメガ6のバランスを考えていくことは誘惑との戦い等もあるために簡単とはいえませんが、選択肢は個々にある場合は積極的にオメガ3脂肪酸の摂取を心がけるとともにオメガ6を減らすようにしたいものです。