免疫力を高める食べ物や食事
肉類と免疫力
世界の食肉産業の中心的存在の多くはアメリカに本部がある企業ですが、その大きなチカラに真っ向から立ち向かっていることでちょっとした物議をかもしたことで脚光を浴びたアメリカの医学博士がいます。
その先生は多くの幅広い知識が必要とされる家庭医(アメリカでいうファミリードクター)で人気になっているジョエルファーマン博士です。
なぜ一家庭医の先生が巨大な食肉産業界から反発を受けたかというと同先生の発した「肉はクッキーと何ら変わらない」という一言が大きな引き金となりました。
同先生の考えではがんに限らず、あらゆる病気に立ち向かうためには免疫力を高めておく必要があり、そのためには野菜や果物、穀類や果実、種子類などは必要な栄養素を含むといえるものの、肉類の動物性食品にしても他の加工食品にしてもビタミンやミネラル、ファイトケミカルや酵素等の微量栄養素を含まず、肉類や加工食品の摂取量が増えるほどに免疫力が低下しやすい結果として病気になりやすくなると報告したのです。
またそれらの動物性食品が例えば卵であっても、牛乳であっても低脂肪であったとしても体内の免疫システムに関しては有益に働かず、植物性が持つファイトケミカルのような防衛力もなければ、その反対に焼いたりすることで生じる有害性物質による発がん性のチカラの方が大きいと述べています。
免疫システムと脂肪
ただし、彼はやみくもにすべてが悪いと伝えているのではなく、たとえば脂肪についても炭水化物に関してもそれ自体が体内で害になっているというよりも、ビタミンミネラル、抗酸化栄養素のファイトケミカルや食物酵素、食物繊維などの微量栄養素が食事で十分にまかなえているかどうか、あるいはその割合がどの程度含まれているのかを中心に考えられているように思います。
その証拠に同時に動物性か植物性かは別として、脂肪を含んでいる食べ物をそれらの微量栄養素と共に摂取する方が微量栄養素の吸収が多くなされるとも伝えています。
ちなみに脂肪とひとことでいっても動物性でも牛や豚、鶏も身体に良い油で知られるDHAやEPAのオメガ酸脂肪酸もあれば、植物性の脂肪酸でもフラックスシードオイル(あまに油)やえごま油も身体に良いとされるオメガ3脂肪酸を中心に豊富に含んでいます。
ファーマン博士が発表する文献の中に大切なことは植物由来の微量栄養素が不足することで免疫力が下がることを引き起こし、その結果として感染症にかかりやすくなったりがん細胞が喜ぶ環境になりやすいということです。
特に現代のように簡単に美味しく便利になったファーストフードをはじめとする加工食品には野菜や果物などの自然食品に比べてビタミンやミネラル、それにファイトケミカル等の微量栄養素が含まれていないことに加えて、添加物や防腐剤等の消化吸収時に臓器に負担をかけたり、逆にビタミンミネラル等の栄養素を消費しながら働く食品をあまりにも食べ過ぎていることが免疫力の低下や病気の引き金になっていることを懸念しています。
免疫力を高く維持する食事
免疫力を高く保つ秘訣としては、今までのコース料理のように最初に少量のサラダをいただいてから他のメイン料理に移っていくというよりも、野菜や果物などを脇役から中心にしっかりと基本に置いた食事にすることが栄養価が高く、健康につながる食事としていえると伝えています。
アメリカでは日本と反対にがんで亡くなる人が1991年以降減り続けているのはファーマン博士のように食事の改善を大きく伝えている専門家が後を絶たないことが数値に表れてきているのかもしれません。
少なくともアメリカでは肥満の人の数も多いのは間違いありませんが、同様に食事に十二分に気を使う人も多く存在していることも見逃せませんし、政府も口もカネも出すことの効力が数字となって表面に出てきている可能性もあり、今後の動きにも世界が注目しているといえます。