オメガ3脂肪酸と子宮内膜症と健康
女性とオメガ酸:
日本でも増えている女性の子宮内膜症に関して予防となるヒントになる食生
活ヒントを今までもご紹介してきましたが、今回も今までとは異なる研究内
容をお伝えします。
ハーバード大学のS・A・ミスラー博士をはじめとする研究グループの発表
によるとオメガ3脂肪酸を多く摂取する女性はそうでない人に比べた場合に
22%前後において子宮内膜症になるリスクが少ないことが報告されていま
す。
オメガ3と子宮内膜症の報告:
ミスラー博士らの研究班はアメリカで1989年から2001年の期間中に
アメリカ人看護師70,709人を対象にした調査を行い、統計的に分析したとこ
ろ、1,199人において子宮内膜症であることが判明したようです。
普段の食事に含まれる栄養素調査でオメガ3脂肪酸を摂取している女性は2
2%程度子宮内膜症のリスクが軽減されると報告しています。
オメガ酸は不飽和脂肪酸といって水では溶けない栄養素の部類なのですが、
一般的に健康や美容、ダイエットを始めとする目的で人気のオイルとして
は、オメガ3脂肪酸を豊富に含む新鮮な青魚などに含まれるDHAやEPAが
知られる栄養素です。
DHAやEPAのオメガ酸と聞くと脳や目に関係するイメージが強いかも
しれませんが、実は主に脂肪部分に蓄積する体内に蓄積した老廃物や
有害物質を脂肪とともに体の外に排出することや、炎症が発生しにくい
環境をつくることでも知られる栄養素です。
子宮内膜症やほかの炎症と関わる場合にオメガ酸を効率よく食事で摂取する
場合のコツとしては、新鮮なイワシやアジ、サンマを始めとする青魚を刺身
のままいただくことがおすすめです。
加熱することでDHAやEPAの成分が減ってしまうことからです。
マグロ等の大きな魚にもDHAやEPAのオメガ酸は含まれますが、
水銀や環境ホルモン量が多いために食べ過ぎに留意ください。
トランス脂肪酸と子宮内膜症:
オメガ酸以外でも人口添加された油でファーストフードや外食、スナック菓
子やスイーツ等に含まれたり調理をする時に使用されるトランス脂肪酸を多
く摂取する女性はそうでない女性よりも48%程度において子宮内膜症の発
症リスクが高いと分析しています。
トランス脂肪酸はニューヨーク市がいち早く公共のレストランやファースト
フード等での使用を禁止したことで一躍アメリカ国内だけではなく他の先進
国にも人口添加されて発がん性があるトランス脂肪酸として知られることと
なりましたが、残念ながら日本では野放し状態であることからも子宮内膜症
をはじめとする炎症や他の疾病が気になる場合は加工食品やファーストフー
ド、外食時なども含めて気にかけることをおすすめします。
参考文献:
Human Reproduction online version 2010; DOI10.1093/humrep/deq044