ビタミンと痛みを伴うがんの痛み軽減の研究
アメリカのイリノイ州に本部を置く、アメリカがん治療センターのバードサル医学博士の研究によると、 痛みを伴うがんの痛みの軽減にビタミンや他の成分が有効と報告されています。
報告がなされた場所は、アメリカで開催された膵臓癌シンポジウムの年次総会においてでした。
報告内容から、健康のヒントを探っていきたいと思います。
研究の対象者について:
50例で、化学療法を受けた進行性膵臓がんを患う患者に実施。
対象者は痛みがあった為に、すでに化学療法で痛みを和らげる薬を投与されていたものの、痛みが消えさっていなかったとバードサル博士は報告しています。
対象者の研究には、マルチビタミン(特にビタミンCやビタミンE)、メラトニン、緑茶抽出物を適用された患者が36例報告されています。
マルチビタミンに関しては、ビタミンC:1,000mg、ビタミンE:400IU以上を含んだ錠剤を摂取したとのことでした。
【痛み測定方法:】
対象者は痛みを0-100ポイントに数値化し、痛みが無い場合を0、耐えられない痛みを100として測定した。
■ビタミンCやビタミンEなどのマルチビタミン、メラトニン等の栄養素を摂取した場合:
研究開始時: 痛みの平均ポイント55
↓
研究開始3か月後: 痛みの平均ポイント35
(55ポイントから35ポイントへ痛みの減少を確認)
■ビタミンや他の栄養素を摂取しない場合:
研究開始時: 痛みの平均ポイント45
↓
研究開始3か月後: 痛みの平均ポイント65
(45ポイントから65ポイントへ痛みの増加を確認)
■ビタミンCやビタミンEなどのマルチビタミン、メラトニン等の栄養素を摂取した場合:
研究開始前: 痛みに耐えることが可能な範囲の患者指数40%
↓
研究開始6ヶ月後: 痛みに耐えることが可能な範囲の患者指数67%
(40%から6か月間で67%へ27%の患者指数の増加を確認)
■栄養素の摂取しない場合: 研究開始前:痛みに耐えることが可能な範囲の患者指数35%
↓
研究開始6ヶ月後: 痛みに耐えることが可能な範囲の患者指数22%
(35%から6ヶ月間で22%へ13%の患者指数の減少を確認)
つまりは、何も行わなかった例では痛みが増したものの、ビタミンCやビタミンEなどのマルチビタミン、メラトニン等の栄養素については、痛みが軽減されたことが本研究では確認し、報告されています。
結果として、バードサル博士はこのの研究で「膵臓がん患者の痛み管理にビタミンCやビタミンEなどのマルチビタミン、メラトニン等の栄養素が有効」と報告しています。
参考:
Gastrointestinal Cancers Symposium, Orlando, Jan. 25-27, 2008. Timothy C. Birdsall, MD, vice president for integrative medicine, Cancer Treatment Centers of America, Zion, Ill. Leonard Gunderson, MD, deputy director for clinical affairs, Mayo Clinic Cancer Center, Scottsdale, Ariz.
2022年6月9日更新