甲状腺やハシモト病とダイエットで体重が落ちないのはコルチゾールに原因?
甲状腺機能やハシモト病の場合にはダイエットをしても体重が落ちず上手くいかないのには原因がありそうです。
ストレスホルモンのコルチゾールや睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンなどとの関係にも原因があることが報告されています。
女性の甲状腺やハシモト病:
甲状腺機能の働きについては圧倒的に女性に多いことがわかっています。
割合としては、女性が9割(米国で5人に1人)で、男性は1割(10人に1人)程度しか存在していないようです。
女性の場合はホルモンや出産、甲状腺など女性特有の関わりが男性よりも大きく、影響を受けていると考えられています。
また、甲状腺やハシモト病と診断される女性の多くは自己免疫疾患や、その前段階にある腸漏れの症状も出ていることがあることからも何らかの食べ物にもアレルギー反応を起こしていることも考えられそうです。
自己免疫疾患は簡単にいうと、何かの食べ物や食べ物以外が体内に入って来た時に、自らの免疫組織によってそれらを異物ととらえることによって攻撃をしはじめる症状といえます。
腸漏れや腸管漏れはリーキーガット症候群でも知られている文字通りの腸から血液中に漏れ出す症状です。
多くの場合には食後に胃腸が張ったり、便秘や軟便、頭痛、小麦や乳製品をはじめとするアレルギー反応がしやすい物質にアレルギー反応を示したり、季節になると花粉症が発症したりする場合には腸漏れも疑われます。
アメリカでは成人の3〜5人に1人程度が腸管漏れの症状があるとも報告されており、腸管漏れからさまざまな症状や疾患につながったり、影響をしたりしていることがわかってきているようです。
ストレスホルモンのコルチゾール:
女性の甲状腺やハシモト病のような症状がある場合にはストレスホルモンでも知られているコルチゾールというホルモンのバランスが崩れていることや、夜に出る睡眠ホルモンでも知られるメラトニンのバランスの崩れによる影響が多いことも報告されており、ダイエットを頑張っても食事を減らしたり変更をしても体重や体脂肪が落ちない原因にもなっているようです。
甲状腺やハシモト病の場合には自己免疫疾患や副腎疲労との関係性も高いことからも、副腎でコルチゾールのホルモンが作れない状態にあったり、ブロックできない状態にあることが報告されていることからもダイエットをしても体重や体脂肪が落ちずに成功しにくいことにつながっているようです。
コルチゾールは本来の働きとしては朝方に近い夜が一番高く、そこから時間の経過と共に少しずつ減ってきて、朝起きてから15時間後頃に出始めるといわれる睡眠ホルモンのメラトニンが出る頃にはすっかり少なくなっているが健康的な状態ですが、甲状腺やハシモト病、自己免疫疾患や副腎疲労の場合にはコルチゾールやメラトニンの出方や出るタイミングや動きが違ってくることからも、夜に寝付きが悪くなったり、不眠症のような状態になったり、逆に朝や昼間に眠くなったりしていると伝えられています。
また朝の時間帯にコルチゾールが高くない場合や、夜に少なくなっていない場合には体内での自己免疫が攻撃しやすくなる状態につながることも報告されています。
コルチゾールの良い例えとしてコーヒーマシーンで朝にタイマーをセットしているように、朝の時間帯にコーヒーマシーンが働き始めるようなイメージが健康的な働き方といわれています。
そのためにストレスホルモンとは呼ばれるものの、コルチゾールは決して悪いものではなく、正常に働いてくれるかどうかや出るタイミングによってカラダへの影響が変わるという表現が正しいのかもしれません。
良い働きの例としてコルチゾールの働きの中には炎症を抑えてくれるようなこともあり、アレルギー症状や花粉症なども含めて症状が出にくくするように働きかけてくれているのもコルチゾールの働きの1つのようです。
なぜダイエットで体重が落ちない原因につながるか:
それでは甲状腺やハシモト病の女性がどうしてダイエットで体重や体脂肪が落ちない原因につながっているのでしょうか。
先ほどのコルチゾールが関係してくるのですが、カラダが最適なコルチゾールを維持していない場合には、体内でエネルギーの生産が上手にできないことからも疲れやすく、やる気や集中力、記憶力にもつながらずに慢性疲労のような状態になりやすい状態が続きます。
そのために効率的にエネルギーが作られないだけではなく、効率的に脂肪の燃焼もできなことがいくら運動や食事制限をするダイエットを取り入れても体重や体脂肪も落ちにくく、代謝が落ちた状態からなかなか抜け出せずに結果として成功しにくい状態にあるようです。
わかりやすく説明をするならば、スマートフォンでアプリをダウンロードしようとしても、電波が弱かったり不具合が生じていると、待っていても一向にダウンロードができずに時間がかかっている状態が続いているような状況に近いともいえます。
そのために正しい食事や運動を正しく行なっていても、どれだけ頑張っても体重や体脂肪が落ちずにダイエットが上手くいっていない場合や、日中に疲れや眠気が続いたり、記憶力や集中力が低い状態のままだったりする場合には、本来の健康状態ではないことも可能性としては考えられますので、その場合には専門家に相談してみることもおすすめです。
参考にした情報:
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27783083
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28977443
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29860882
ヒーリング・ハシモト・サミット(米国開催)
ハシモト甲状腺のための自然療法(原文英語)
アラン・クリスチャンソン博士
2016年6月18日