甲状腺の健康と予防が女性の基礎代謝やダイエットにも関係する理由
甲状腺を健康に保つかどうかは健康や予防だけに限らず、女性の場合は特にダイエットにも大きく関係していることが報告されています。
甲状腺ホルモンは代謝と関わるカギとなっていることがダイエットにも関係しています。
甲状腺について:
甲状腺は大人で15〜20g程度の重さであることが知られていることからも非常に小さく軽いながらも、最も大きい内分泌腺の1つです。
甲状腺がある位置は喉頭の真下にあり、代謝を大きく左右する主要なホルモンであるT4で知られるサイロキシンと、T3で知られるトリヨードサイロインを分泌する働きを担っています。
ホルモンの分泌によってダイエットを左右する代謝、体重、体脂肪にも影響を与えています。
どの程度甲状腺ホルモンの分泌によって変わってくるかというと、甲状腺ホルモンの分泌が完全に低くなっている場合であれば通常の基礎代謝率の約半分ともいえる40〜50%程度も低くなることが報告されています。
半分の基礎代謝率と考えた場合、運動に例えるとすると、いつもの2倍運動をしないと同じような効果につながらないということになります。
あるいは、いつもと同じ運動をしていたとしても、基礎代謝はいつもの半分にとどまるという結果になり、その分、体重や体脂肪も落ちにくく、ダイエットの成功につながらないことがわかります。
甲状腺ホルモンの分泌は、主にTSHともよばれる甲状腺刺激ホルモンによって調節されていますので、その甲状腺刺激ホルモンの健康度がいかに基礎代謝やダイエットにも関係するかがわかります。
甲状腺が及ぼす健康:
甲状腺の働きは、基礎代謝や体脂肪、体重、ダイエットに影響するにとどまらず、さまざまな健康に関係を及ぼすことが報告されています。
特にアメリカでは多くのがん発生率がここ20年程度は下がり続けているものの、甲状腺に関係する甲状腺がんは増えて来ていることからも、近年は甲状腺の健康や予防についての話題や研究報告を良く耳にする機会が増えて来ているように思います。
それは甲状腺機能の低下によって溜まった体脂肪や、脂肪の影響を受ける肝臓に溜まる脂肪の脂肪肝に及ぼす影響からの炎症なども考えられるでしょうが、それ以上に甲状腺機能が果たす身体全体との結びつきの影響を受けることで知られています。
甲状腺機能と関係する代表的な症状:
甲状腺機能の働き次第では、身体の他の部分にも関連する分、他の症状にも関係してくることがわかります。
特に下記のような症状は甲状腺と関わりがある代表例として伝えられています。
・自己免疫疾患(甲状腺や腸内環境からはじまることも多いとされる自己免疫疾患ですが、食品やホコリ、洗剤などの家庭用品にアレルギー反応が出る場合には自己免疫疾患の可能性も含まれることが報告されています)
・甲状腺がん
・太りやすい(食事や運動を最大限に頑張っても体脂肪や体重が落ちずにダイエットの成功につながっていない)
・脂肪肝や糖尿病(血圧や血糖値が高い場合には肝臓への負担が大きくなることで知られます)
・認知症/アルツハイマー/パーキンソン病
・炎症や関節炎
など
健康と予防、基礎代謝やダイエットに向けて:
運動をしたり身体を動かすことは基礎代謝やダイエットに大きく関係していることは確かですが、それだけでは十分な効果が望めません。
やはり食べ物や食事の影響を大きく受けるからです。
どのような食べ物や食事が健康や予防、ダイエットにつながるかは、国によって違うだけでなく、人によっても個体差があるといわれますので一概には言えないものの、日本人であればやはり多くの和食は健康につながるといえます。
甲状腺に大きく関わる栄養素の1つは食物繊維であることがわかっていますが、日本の和食には野菜にも果物にも、そして主食といわれる穀物の中にも玄米であれば食物繊維は豊富に含まれています。
甲状腺に関係していることで知られる他の大切な栄養素はたんぱく質といわれます。
和食には魚や大豆そのものにたんぱく質が含まれますが、発酵させた納豆などは更に栄養価も高く健康に良い食べ物といえるのではないでしょうか。
また玄米のような食べ物であれば自然に良く噛みますが、良く噛むことで食べ物の栄養素は吸収や消化がされやすくなる上に、酵素もでやすく、唾液に含まれる酵素の中にはがん細胞を死滅させやすくする働きを持つ酵素もあるようですので、期待が持てますし、食べ過ぎにもつながりにくくなるといえますのでおすすめです。
他の食べ物についてもできる限り丸ごと、皮ごといただくことは、より多くの栄養素を体内に取り入れることにつながるためにおすすめといえます。
参考にした情報:
ガイトン生理学 甲状腺代謝ホルモン p985
Thyroid Health(甲状腺の健康)についての講義
アラン・クリスチャンソン医学博士 2016年5月26日