ビフィズス菌と善玉菌と免疫
「健康は腸がすべて」、「腸は健康のバロメーター」、「健康や免疫は腸が7割」という言葉を聞くことがあります。
風邪を引く前は軟便になる、下痢が何ヶ月も続いたからおかしいとおもって病院で診てもらったらがんを発症していた、便秘が続いた結果大腸がんと診断されたなど腸の状態が健康のバロメーターであることは私たちにはわかりやすいことのように思います。
がんに限らず善玉菌や悪玉菌など腸の健康状態を左右することは免疫ともつながりが大きいことからも腸の健康を考えて乳酸菌やビフィズス菌等の栄養素がおすすめされて人気となっているのかもしれません。
小腸と大腸の違い:
食事で補給した食べ物を消化し、栄養素の吸収に関わる小腸は一般的な人で6〜7メートルの長さもあるといわれます。
小腸がそんなに長いもののその中は善玉菌や悪玉菌はじめとする良く知られる菌も含めて、ほとんど無菌の状態にあることで知られています。
そんな小腸とは別にもう1つの腸で知られる大腸は長さが1.5メートル程度なのに対して善玉菌や悪玉菌、日和見菌などの菌が500〜1,000兆個もの菌が存在しているのだそうです。
大腸はそのために小腸以上に紹介されることが多く、より目立つ存在になっていますが、他の理由として健康に大きく携わっている消化器官であることも見逃せない点ではないでしょうか。
あるいは普段の生活をしていてもわかりにくい小腸に対して、便を作ったり貯めたりする大腸の働きは私たちの目にも留まりやすいことも目立つ理由に挙げられます。
年齢と共に減るビフィズス菌
年齢を重ねていくと腸の運動もおとなしくなり、腸内細菌のバランスにも成人してから徐々に変化が生まれることは知られるところですが、それは腸内に存在するビフィズスの数が年齢と共に減ってくることが関係しているといわれます。
ビフィズス菌は大腸に存在する健康に大きく関わる善玉菌のほとんどがビフィズス菌であることからも大切な存在であることは明からです。
年齢が若い間は腸内で良い働きをしてくれる善玉菌も年齢を重ねていくと善玉菌が多い状態から少しずつ減ることで腸内細菌も乱れやすい状態に変わっていくといわれています。
そのために善玉菌やビフィズス菌を大腸の中で増やした状態を保つことが健康を維持する秘訣ではないでしょうか。
善玉菌やビフィズス菌と健康
以前から腸内環境とアレルギー体質との関係についてのデータは報告されてきましたが、腸内に存在する善玉菌のバランスやビフィズス菌などが健康に及ぼす影響はあまりにも多く、近年急増している腸管壁に穴が開くことで流れ出てしまうLGS(リーキーガットシンドローム)でもわかるように近年の食生活や住環境、あるいは精神的な部分も含めて善玉菌や良質なビフィズス菌が腸内で減っている傾向にあることがわかります。
免疫と食事
食生活では政府の発表で野菜や果物、それに魚や日本の台所であるお米の摂取量も減っており、それらに代わって増えている加工食品や小麦粉が腸内環境に与える影響が表面化してきているように思えてなりません。
品種改良を重ねてきた本来の小麦粉よりも40%とも言われる粘着性のある小麦粉は確かに口当たりも良く、多くの料理に重宝されますが、リーキーガットシンドロームとの関係を報告する研究も多く、私たちの健康の土台である腸内細菌、善玉菌やビフィズス菌を増やすためには先人から伝わってきた野菜や果物、特に善玉菌やビフィズス菌を増やしてくれる発酵食品の摂取量においても増やしていくことが免疫力を保ちやすく、健康的な腸内環境をつくる一番の近道であるように思います。
ビフィズス菌とサプリメント
あくまでも私たちの健康は口に入れる日頃の食品であることからも、大前提は食事であることは間違いありませんが、不足する栄養素については乳酸菌、ビフィズス菌、プロバイオティクスを含むサプリメントといった菌のサポートを必要な場合には活用することも場合によっては必要と考えられます。
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